謎のプリンス ページ7
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試しにサーブ?何言ってんだこの人。
「…あの、私トスはともかく、サーブなんて大学卒業以来打ってないんですけど」
小野寺「Aさんなら大丈夫でしょ。たまに大学来て練習に参加してたじゃないっすか」
柳田「…じゃあ大丈夫じゃん」
「…なんで余計なこと言うの」
Aさんごめんね〜、とニコニコしながら謝ってくる太志。
ぜってぇ思ってねぇだろ!!
太志を睨んでると、じゃあ俺あっちのコートいるから打ってきてよ、と言い、返事も聞かず走り去っていくプリンス。
はぁ…。謎だよ謎。
柳田さん謎い。謎のプリンスや。
小野寺「うわ、久しぶりにAさんのサーブ見れるんすね」
「あんたは今まで散々取ってきたでしょうが」
小野寺「取るのと見るのじゃ違うんすよ」
「それはそうだけども」
小野寺「しかもAさん、サーブフォーム綺麗だし、ずっと見てたくなる」
「…あたりまえでしょ」
うわ、否定しないんだ、と太志が笑う。
否定するわけないでしょ。私が3年間お手本にしてきた人は「綺麗」なんて言葉じゃ収まりきらない。
私は似てるってだけで、まだまだ本物には及ばない。
「憧れってすごいよね」
小野寺「急に?」
「ごめんごめん。でもさ、憧れてたからこそのサーブであったり、セットアップなんだよね」
小野寺「…確かに。それなら俺もAさんに憧れててよかったかも」
「え?」
小野寺「んふふ」
太志、私に憧れてたの?
へぇ、いいこと聞いた。
柳田「Aー!準備できたら打っていいぞー!」
「あ、はーい、…え!」
小野寺「ガチメンじゃないすっか」
「私のサーブをなんだと思ってんの…」
柳田さんに呼ばれ向かいのコートを見れば、リベロのおふたり、それから石川さん。
…あたおかやん。
でも、やらなきゃ終わらないし、このせいでコートが使えずに自主練がストップしてるわけだから…。
ああ、もうどうにでもなれ…!(ヤケクソ)
柳田「手加減すんなよ!」
「あたりまえです!!!」
ボールを受け取って、ひとつ大きな深呼吸をする。
相手は3人。そのうち2人がレシーブのプロ。
イタリアに武者修行に行ったイタリアンリベロも1人。
狙うは、そのイタリアンリベロ。
ボールを高く放って、助走をつけた。
ラインギリギリで踏み切って、飛ぶ。
…入れ!
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エマりん - 読んだら感想を仲良し芸能界で! (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます!はい、読みたいです! (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - 貴方の作品を見てみてすごいと思いました!だから私の作品も見てほしいなぁって思いました…読んでくれる?作品名は仲良し芸能界です!高評価お願い! (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - エマりんさん» ありがとうございます!!はい!ぜひ!友達申請お待ちしております!! (2020年2月9日 7時) (レス) id: a7ed6a47fc (このIDを非表示/違反報告)
エマりん - めちゃくちゃ良かったです!友達になりませんか? (2020年2月9日 7時) (レス) id: fd98254018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年10月23日 21時