総合マネージャーは男前

19歳 ページ46

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女子のW杯が終わった。

結果は5位。

これからもっと成長していけると、課題の残る結果となった。

次は男子が始まる。

…私の仕事も、終わる。




西田｢…Aどしたの？そんな難しい顔して｣

｢…真佑ちゃんたちにお疲れ様メールをしようとして、なんて送っていいかわからず、昨日寝落ちしちゃって、今に至る｣

西田｢わかりやすい説明をどーも｣

｢なんて送ったらいい？有志ならさ、なんて送る？｣

西田｢とりあえずお疲れ｣

｢その後は？｣

西田｢…頑張ってたね｣

｢それはありきたりよ！｣

西田｢じゃあ自分で考えろよ！｣




それは、うーん、なんて送る？

わからない。

練習が終わった自主練中に、スマホを持ってウロウロする私。

有志は私のパソコンにある敵チームの情報や、自分のプレーの分析結果を見ている。

…シュールだな。




藤井｢…Aちゃん？なにしてんの？｣

｢…藤井さん。まずまずの結果の試合後に言われて嬉しい言葉ってなんですか？｣

藤井｢え、急すぎ｣

｢できるだけ早く、かつ、いいものをお願いします｣

藤井｢ムズ｣




たまたまボールを取りに来た藤井さんに聞いてみた。

あ、ちなみに藤井さんのトスを打ってから結構仲良くなったよ。

Aちゃん呼びに昇格。えへへ。

藤井さんは、うーんうーんと頭を抱えて悩んでいる。

…なんか、すいません。




藤井｢…俺は、電話がきたら嬉しいかも｣

｢電話…？｣

藤井｢うん。電話で、お疲れ様って聞くだけで、ふっと力が抜ける気がする｣

｢あー、わからんでもない｣

藤井｢そこから何も言われなかったとしても、試合のこととか自分から話して、泣いちゃいそう｣




そう言って藤井さんが笑う。

…確かに、聞いてもらえるだけでもほっとすることってあるよね。

まあ、私にその力があるかはわからないけど、選手ひとりひとりに寄り添うことも、総合マネージャーの仕事だ。




｢ちょっとかけてみます｣

藤井｢うん、頑張って｣




藤井さんがニコッとして手を振る。

かわいい。花丸。

本当は代表女子のみなさんと話したいけど、それはまたの機会にしよう。

とりあえず真佑ちゃんだ。

いくら全日本と言えど、彼女はまだ19歳だ。

そのプレッシャーは計り知れない。

電話番号を押して、出るのを待つ。

数回のコール音の後、｢…はい｣という小さな声が聞こえた。




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