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イザナが帰ってきた
玄関がガチャリと音を立てて開き、ソコから入ってきたイザナに抱きつく。
何やら紙袋を持っていて、ガサッと音がした。
『おかえり。イザナ』
イザナ「姉ちゃん、ただいま」
イザナは抱きしめられている状態で器用に靴を脱ぎ、
昨日、再会した時のように私を抱き抱えてリビングへと向かった。
リビングのソファの目の前で、優しく降ろされる。
イザナは私を降ろした後、
紙袋から赤を基調とした背中に初代横浜天竺と書かれた特攻服を取り出して着て魅せた。
どう?と少し嬉しそうに見せてくるイザナ。
それが可愛らしくて愛おしくて、
そして再度紙袋の中に手を入れたと思えば、今度は白を基調とした特攻服が顔を出した。
イザナ「これは、
姉ちゃんの…Aの天使の異名の為に作らせた特攻服だ」
すぐ汚れるかもしれないけれど……
イザナはそう言って特攻服を手渡してきた。
私はその特攻服に袖を通す。
着てみるとサイズは少し大きいくらいだった。
「やっぱり俺と全く同じサイズじゃ少しデカいか」と
イザナは頬を緩ませる。
いくら弟と言えども男なのだ、
姉より大きいという事実が嬉しいのだろう。
それが本当に愛おしくて、
私と同じ色の髪をぐしゃぐしゃと撫でた。
特攻服は管轄の衣装店へと連絡して修正をしてもらうことにした。
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作者名:りう | 作成日時:2023年11月4日 14時