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地下駐車場へバイクを止め、帰宅する。
玄関を開くと灰谷はまだ部屋の中に居た。
竜胆「あ、おかえり」
蘭「おかえり〜」
『…………ただいま』
少し躊躇ってから返事をすると嬉しそうに笑う2人
部屋のソファに座ると蘭が口を開いた。
蘭「お前の弟ってさぁ、イザナか?」
“イザナ”
その名前は紛れもなく弟の名前である。
『せやな。
黒川は私とイザナの苗字や』
竜胆「確かに、似てるなぁ……」
『似てるんは自分らもやろ?』
それから私たち3人は朝まで話した。
主にイザナについて
2人ともイザナと同じ年少だったらしく、イザナに喧嘩で負けたのだという。
そして、新しい国を作るというイザナと鶴蝶の夢を見てそれを叶えるために力を貸すという事だった。
私はもちろんイザナの為に力を使う。
2歳の頃に別れたのが最後と言えども、
顔も声も覚えていなくとも、
私の弟がいるのならそのために力を惜しまないつもりである。
朝になり、寝てる2人をよそにベランダへと出る。
太陽へと手を伸ばし、
『もうすぐ再会できるね…イザナ』
そして、暗い部屋で鉄格子の隙間から見える月に手を伸ばす白髪の少年。
?「もうすぐ、もうすぐだよ…姉ちゃん
王国を作ろう。」
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作者名:りう | 作成日時:2023年11月4日 14時