24話 ページ26
叫んだ。いきり立つ喉が悲鳴を上げ
少量の咳を抱えながら上下する
憎悪が雪崩込むような心持ちで睨みつける
目の奥から血が滲むような感覚だ
「アンタが中尾を刺した時、血の匂いは全くしなかった
それに、付着した血は本来のものより
ずっと鮮やかな赤色だった。本当は血糊を使ったんでしょ」
柊は何も言わないで私を見ている
その飄々とした態度が気に入らなくて
何を考えているのか分からなくて
怖くて、悲鳴を上げたくて、
「ねぇ！何とか答えなさいよ！！」
悲鳴の代わりに出たのは怒号だった
咄嗟に持ったカッターナイフを投げるも
錯乱状態にある脳はなかなか上手く機能しない。狙った所を大幅に外し、放物線を描いて床に落ちる
「アンタも、私と同じ、復讐が目的なんでしょ
澪奈の代わりに復讐してるんでしょ
じゃあなんで殺さないのよ、」
縺れそうになる足を奮い立たせ、掴み掛かろうとするも躱される
代わりに両肩を掴まれて、そのまま床に押し倒された
爪が左肩に食い込み、古傷が悲鳴をあげる
「……ｯ何よ、離しなさいよ」
痛みで顔を歪めると、柊は口を開いた
互いの息は上がっている
顔が近い
「お前は、」
必死に息をしながら紡がれた言葉は掠れていた
「お前は………何を背負ってる？」
何を背負ってる？
答えは1つしかない。
「アンタと同じよ。
澪奈の全てを背負ってんの」
澪奈の笑顔
澪奈の声
澪奈の泳ぎ
澪奈の書く文字
澪奈の……………
私は澪奈の全てが好きだった
だから、澪奈が苦しんできたことも
悲しんできたことも、背負う義務がある
「そんなものはお前のエゴだ」
目を見開いた。
「景山が本当に望んでいる事じゃない」
憎悪
心の底から黒い感情が溢れ出す
一気に沢山の感情が雪崩込んできて、
脳はキャパオーバーを示した
言葉よりも先に涙が溢れ出てくる
「……ｯるさい……アンタに何がわかんの」
空いた手で襟首を掴んで引き寄せる
零れた涙が柊の服の上に落ちて濡らした
「唯一無二の親友殺されたのよ
何にもできないまま
何にも伝えられないまま
死んだのよ」
澪奈が死んだと知った時の
無力感、脱力感、自己嫌悪、憎悪、
澪奈を殺した奴を知りたいと思った
澪奈を殺した奴を殺してやろうと思った
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！応援してます！！ (2022年8月23日 17時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか？すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね！まさかの共犯になるなんて…！面白いです！更新待ってます！ (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね！ (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)
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