17話 茅野side ページ19
先生の声に、皆が慌てて席に着いていく。
私もよろけながら椅子に座った。
大河さんも顔を覆いながら立ち上がり席に着く。
「考えはまとまったか？」
先生に距離を詰められ、心臓が止まりそうになる。
目線を少しずらして時計を盗み見れば、
もう19:45だった。
約束の時間までにはあと15分しかない。
「あと……もうちょっと……」
「間違えたら誰か死ぬんだ。答えたくない気持ちはよく分かる。でももう8時まで時間がない」
やっとの事で絞り出した声も、先生の言葉によって掻き消された。
涙が出そうになり、俯く。
「答えられなきゃ、この教室ごと木っ端微塵だぞ。」
分かってる。分かってはいるんだ。
早く答えないと、皆が死ぬ＿＿。
でも、脳内に響くのは大河さんの言葉。
”アンタが澪奈を殺したくせに！！！”
「皆で話してたの、言えばいいんじゃない？」
何も言えない私に投げかけられたのは、宇佐美さんの言葉で。
その言葉に思わず顔を上げる。
”皆で話してたの”
それは、大河さんの叫びを言っているのではない。
ドーピングのことだ。
「あれでいいと思うけど」
「私も」
皆がどんどん賛同していって、何言えないのは私だけになった。
皆の視線が私に集まる。
苛立ち、不安、恐怖。
沢山の視線が向けられる中で、唯一、大河さんの視線だけが感じ取れた。
”懇願”だ。
「さっさと言えよ！！！」
ガンｯと大きな音が響く。
意図せず体が揺れた。
言わければならない。
言わなければいけない。
向き合わなければいけない。
死んでしまった澪奈と
最低な私に。
「景山澪奈は、」
顔を上げる。
真剣な顔をした先生と目が合う。
「景山澪奈は
…………私のせいで自 殺しました」
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！応援してます！！ (2022年8月23日 17時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか？すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね！まさかの共犯になるなんて…！面白いです！更新待ってます！ (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね！ (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)
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