12話 柊side ページ14
大河 A__。
中学時代から演劇部を続けており、3年時には部長にまで上り詰めた。
その演技力はプロをも凌駕する天下一品のものであり、過去に何枚か賞も受賞している。
しかしクラスでは一切友人を作ろうとしない一匹狼。
というより、”高嶺の華”。
天才肌で人気者の景山澪奈とは馬が合い、唯一の友好関係を築いていた。
美術室に戻り、先程の出来事を脳裏に描く。
便器ブラシを投げられた上着をハンガーに掛け、モニターに囲まれた椅子に座る。
”いいじゃないですか、ペナルティ”
悪魔のように微笑みながら彼女は確かにそう言った。
彼女の笑顔は、久しく見ていない。
景山澪奈が自 殺したあの時から、
彼女は一切笑わなくなっていた。
計画とは何だ。
彼奴は一体何を考えている。
何故爆弾の数が分かるのか。
考えなければならない問題が山積みだ。
正直、こんな邪魔が入るとは思っていなかった。
半年間、このためだけに、念入りに計画を練ってきたというのに。
……もしかしたら大河も、そうだったのではないか。
一抹の不安が脳裏をよぎる。
白い袋の中を漁り、大河の荷物を取り出した。
回収した時、大河の荷物は異様に重かったことを思い出す。
「……何だ、これは」
中身を見て、息を呑んだ。
大河は、本気だ。
本気で人を殺 す気だ。
『なんで気づかねぇんだよ!!!』
モニターから聞こえてきた声に我に返る。
俺としたことが、大河に気を取られてすっかり忘れてしまっていた。
椅子に戻り、マイクに向かって声を吹き込む。
『助けは呼べないよ』
一斉に教室中を見渡し、混乱する生徒達。
それを見ながら俺は1つ深呼吸をした。
そうだ、1つ邪魔が入ったところで、
俺のやることには変わりはない。
モニターを睨みつける。
監視カメラを覗き込む大河と、目が合った。
____見透かされている。
背筋が凍りついた。
生徒達の声が、やけに遠くに聞こえた。
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月23日 17時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか?すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね!まさかの共犯になるなんて…!面白いです!更新待ってます! (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね! (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)
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