検索窓
今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:248,437 hit

12話 柊side ページ14

大河 A__。


中学時代から演劇部を続けており、3年時には部長にまで上り詰めた。
その演技力はプロをも凌駕する天下一品のものであり、過去に何枚か賞も受賞している。

しかしクラスでは一切友人を作ろうとしない一匹狼。
というより、”高嶺の華”。

天才肌で人気者の景山澪奈とは馬が合い、唯一の友好関係を築いていた。




美術室に戻り、先程の出来事を脳裏に描く。
便器ブラシを投げられた上着をハンガーに掛け、モニターに囲まれた椅子に座る。


”いいじゃないですか、ペナルティ”


悪魔のように微笑みながら彼女は確かにそう言った。
彼女の笑顔は、久しく見ていない。



景山澪奈が自 殺したあの時から、

彼女は一切笑わなくなっていた。



計画とは何だ。
彼奴は一体何を考えている。
何故爆弾の数が分かるのか。

考えなければならない問題が山積みだ。
正直、こんな邪魔が入るとは思っていなかった。
半年間、このためだけに、念入りに計画を練ってきたというのに。

……もしかしたら大河も、そうだったのではないか。

一抹の不安が脳裏をよぎる。
白い袋の中を漁り、大河の荷物を取り出した。
回収した時、大河の荷物は異様に重かったことを思い出す。

「……何だ、これは」

中身を見て、息を呑んだ。








大河は、本気だ。









本気で人を殺 す気だ。









『なんで気づかねぇんだよ!!!』

モニターから聞こえてきた声に我に返る。
俺としたことが、大河に気を取られてすっかり忘れてしまっていた。
椅子に戻り、マイクに向かって声を吹き込む。

『助けは呼べないよ』

一斉に教室中を見渡し、混乱する生徒達。
それを見ながら俺は1つ深呼吸をした。







そうだ、1つ邪魔が入ったところで、

俺のやることには変わりはない。









モニターを睨みつける。
監視カメラを覗き込む大河と、目が合った。









____見透かされている。












背筋が凍りついた。
生徒達の声が、やけに遠くに聞こえた。

13話→←作者から一言



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (233 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
656人がお気に入り
設定タグ:3年A組 , 夢小説 , 柊一颯   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月23日 17時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか?すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね!まさかの共犯になるなんて…!面白いです!更新待ってます! (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね! (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みズま | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年1月14日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。