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10話 ページ11

慌てて天井を見ると、そこにはスピーカーがあった。

「嘘でしょ……監視カメラはないはず、」

狭いトイレの中で後ずさる。

「嘘じゃないよ」

トイレのドアから顔を出した先生は、笑っていた。




「はい、携帯出して。あと、金属探知機も」

トイレから出て、私は先生に渋々それらを渡す。
なんでこんなもの持ってんだ と聞かれたが
何か特別な言い訳も考えていなかったので
さぁなんででしょう とはぐらかした。

「携帯で何見てたんだ」

「LINEです。警察は呼んでないですよ」

もう持っているものは無い、というように両手をヒラヒラさせる。

「随分余裕だな」

「さァね。それより先生、このトイレには隠しカメラなんてついてませんよね?」

どうして分かったんですか と聞けば、先生は私の後ろ襟を指さした。
そこを触ると何か金属のようなものに触れる。

「盗聴器……」

「お前は何となく怪しいからな。付けておいたんだ」

蘇るのは数十分前の出来事。
はい、廊下に出る〜 と私を促しながら、先生は私の両肩を叩いた。
きっとその時だ。あまりにも自然すぎて分からなかった。

「ハイ、お返しします」

襟からブチッと千切るようにして、盗聴器を先生の手の中に放り込む。

「次また怪しいことしたらペナルティだからな。気をつけろよ」

「はいはい」

全く気のない返事だ。
先生は私をちょっと睨んでから、じゃあな と立ち去る。
美術室に行くつもりだろう。
私はその背中に








トイレのブラシを投げつけた

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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月23日 17時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか?すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね!まさかの共犯になるなんて…!面白いです!更新待ってます! (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね! (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みズま | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年1月14日 19時

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