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43話 ページ45

「決まってんだろ、防犯カメラだよ」

「防犯カメラ?」

そんなものあったか?
緊張と不安で冷や汗を垂らしながら記憶を辿る



「店のルールに、客と恋愛してはいけない ってのがあったのは覚えてるよな?

ルール破った後が怖くて、隠れて客と駆け落ちして夜逃げする売り子は減らなくてね

そこで店に防犯カメラを付けることにした
だが市販の大きな物だと、神経質な客なんかはカメラを気にして、酒を注文しなくなることもある

だから小さいものを特別に発注して
天井に取り付けたってわけ」



……盲点だった

完全に失念していた



「つまり
お前が小林にガンガン呑まして
ベルムズについて聞いてんのが映像に残ってたわけ
この日のうちにお前は自主退職してる

どー考えてもおかしいだろ」



何も言えない

澪奈について探るのに必死で

あの時の私は何も考えていなかった

冷静になれなかった



「お前が探り屋なんじゃないかって思って、ずっと探してたよ

2ヶ月も掛かったけどね


でもそんな時、武智が泣きついてきたんだ

生徒に脅された、アイツは全てを知ってる ってな」



下唇を噛む




「まぁ、俺達に怪しまれないように2ヵ月も待ったんだろうが…

残念だったなァ?

もう少し慎重に行動していれば成功してたかも「五月蝿いわね」



はぁ、とできるだけ長い時間をかけて溜息を吐く

もういい。全て終わった

死ぬ覚悟は出来ている




「武智に依頼されたんでしょ?

私を殺 すんでしょ?

だったら早く殺 してよ

アンタの話、長くてつまらないわ」




澪奈の所に行くだけじゃないか

もういい、諦めてしまおう

こんな計画、実行しようとしたのが間違いだったんだ




「……覚悟を決めたか」


「えぇ。武智やアンタ達を社会的に殺 してやるのが目的だったけど……
死んでから呪い殺 してやるのも一つの手じゃない」



ふっと笑う


笑いながら睨み付ける


喜志はただ一言


「綺麗だなぁ」


と呟いた




「場違いな台詞ね

気持ち悪いわ」


唾を吐き捨ててやる


それでも喜志は何食わぬ顔をしてこう言った



「俺さ、こう見えて絵画とか結構好きなんだよね

一番好きな画家はルノワール。知らない?」


首を横に振る


いきなりなんだ…?



「ルノワールの作品の中でも一番好きなのが

”長い髪をした若い娘”でさ

俺、あの絵見た時からずっと

長い髪の女が好きなんだよね」



するりと髪の毛を撫でられる


「___ッ」


背筋に悪寒が走った

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設定タグ:3年A組 , 夢小説 , 柊一颯   
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています!応援してます!! (2022年8月23日 17時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか?すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね!まさかの共犯になるなんて…!面白いです!更新待ってます! (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね! (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みズま | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年1月14日 19時

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