32話 ページ34
ベルムズなら、動画の加工は容易かもしれない
私は確信に近いようなものを感じた
そうとなったら善は急げだ
先程の検索結果にあったガールズバーのサイトへ飛ぶ
ベルムズが歌舞伎町にあるガールズバーを経営している
という噂が流れていたのだ
確証はないが利用する価値はある
それに夜の街で有名になれば、何らかの形でベルムズと関わりを持てるかもしれない
自分の容姿に自信は大いにある
「陰山 鈴奈 (カゲヤマ レイナ)
19歳……と」
名前を変え年齢を変え、サイトに文字を打ち込んでいく
最後に自分の顔写真を貼り付けて、ガールズバーの求人募集欄に投稿した
身長もあるし化粧でいくらでも化けることは出来る
なんとか大学生には見えるだろう
合格通知が来たのは一週間後だった
その翌日から私は
19歳のカゲヤマレイナという仮面を被ってガールズバーで働くことになったのだ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
過去に浸っていれば時計の短針は7を差していた
約束の時間まで1時間を切っている
未だ宇佐美は名乗り出ていないようだ
背もたれに寄りかかる
頭痛……あぁそう言えば昨日は寝ていない
「…大丈夫か？」
声をかけてきたのは里見君だった
クラスでは澪奈としか話してこなかったので意外に思いながら頷く
「顔色悪いぞ、ほんとに大丈夫か？」
里見君は教卓に寄りかかってヤり逃げXの投稿を見ていたようだ
振り返ったら顔面蒼白の私がいるので思わず声をかけてしまった という感じだろう
「保健室！…あ、行けないんだった…
先生ならなんとか出来るかな…」
今朝あんなことがあったのに、茅野さんは私を心配している
どこまでお人好しなんだろうか
「先生の所まで俺が連れてくよ」
里見君はそう言うと私を抱えた
ふらついて倒れそうになるが、支えてくれるのでなんとか立っている状況だ
「寝れなかったのか？」
素直に頷く
彼に恨みはない
私が調べた範疇では彼は一切この事件に関わっていなかった
まぁ最終的には皆に死んでもらうつもりだけれど
「…景山が亡くなってから、お前どんどん笑わなくなって
ずっと、心配だったんだ」
意外だ
どんどん道を外していく私を、ちゃんと見てくれているクラスメイトがいたなんて
「着いたぞ」
里見君が美術準備室をノックするのを遠くで聞く
出てきた柊は、ありがとうと一言言ってから、私をソファに横たわらせた
重い瞼が閉じていく
再び開けることは叶わず、私は遠ざかっていく足音を聞きながら意識を手放した
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！応援してます！！ (2022年8月23日 17時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか？すごく面白いので続きが見たいです。続編と物語の更新楽しみにして待っています (2020年9月27日 0時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
蒼炎 - ヤバイですね！まさかの共犯になるなんて…！面白いです！更新待ってます！ (2020年1月24日 23時) (レス) id: 874e279780 (このIDを非表示/違反報告)
ちーかま - すっご.....。作者様、絶対頭良いやん.....。 (2019年3月16日 10時) (レス) id: 8f9925b559 (このIDを非表示/違反報告)
ナナたん - 超大作ですね！ (2019年3月15日 20時) (レス) id: 0ab40017a4 (このIDを非表示/違反報告)
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