【d!】男だと思われてるんですが。【zmルート完結】 (ページ12)

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Aの顔は暗くてよく見えないが、恐る恐るAの方へ手を伸ばすと、その手はAに掴まれて、すり…とAの手と重なる。

『ほ、他の誰かじゃなくて、ゾムだから私は…っあ、れ…私、何言って…ごめ、忘れ、て…っ！？』

Aの言葉に俺は思わずAを抱き寄せる。Aは驚いて俺の腕の中で固まっている。

zm「忘れるわけないやろ…それ、俺自惚れんで…？俺と同じ気持ちやって思ってええってこと？」

『…っ、多分、同じ…私、ゾムのことが好き、なんだと思う』

zm「ほんまにほんま？多分？」

『わ、私こんな気持ち初めて、で…はっきりしなくて…でも…他の人よりもゾムに対する気持ちは違ってて…ゾムのことが好き、なんだって気付いた…』

しどろもどろながらも一生懸命自分の気持ちを話してくれる彼女が愛おしくてさらに強く抱き締めてしまった。

zm「あかん…今俺幸せすぎるわ…こんな状況やのに…A、好きや、大好きやねん。俺と付き合ってや」

『私もゾムのことが、好き…不束者ですがよろしくお願いします…？』

ストーカーのことなんて忘れてしまいそうなくらいに幸せだ。このままキスしたかったが、してしまうと歯止めが効かなくなりそうなので我慢して、このまま2人で他愛もない話をしながらAを抱きしめたまま眠った。

次の日、チャイムが鳴ったのが聞こえる。スマホを見れば午前10時で昨日寝付いたのが遅かったため、少しいつもより長く寝てしまったようだ。腕の中を見れば可愛らしい寝顔のAがいて昨日のことが夢ではなかったのだと実感する。
今まで何人か彼女が出来たことはあったが、今ほど幸せを感じたことはなかったと思う。

そんなことを考えている間にも鳴り続けるチャイムにため息をついてAを起こさないようにそっと離れてそのまま玄関へ向かう。一応ストーカーのこともあるため、覗き窓から外を覗いてみれば案の定いつものメンバーの姿があった。玄関を開ければ

sha「よぉーゾム。なんやめずらしくまだ寝てたんか」

ci「おっ邪魔しまーす」

zm「邪魔すんなら帰って〜」

ci「はいよ〜ってなんでやねん！」

いつものやり取りをしつつ、リビングへ案内する。流石に寝室にはまだAが寝ているから行かせる訳にはいかない。

そういえばAに今日メンバーが来ること言ってな…

ガチャ

『ゾm…へ？』

その時タイミング悪く寝ぼけ眼を擦りながらAがやって来てしまった。当たり前だがものすごく驚いていた。可愛い。