10 ページ10
震える手で、応答ボタンを押して耳に当てる。
『ショッピ？』
shp「…はぁーーーー」
開口一番、深々としたため息が聞こえてびくりと小さく体が跳ね上がる。
『あ、あのごめ…』
shp「無事でよかった…ほんま…………」
ショッピの、心底ほっとしたような優しい声に驚いた。てっきり呆れのため息だと思ったからだ。
『怒ってないの…？』
shp「いやまぁ怒っとるけど。勝手に帰ったことも。でもそれ以上に今はAが変なことに巻き込まれたりしてなくて、無事なことがわかってよかったわ…」
『ごめ…ありがとう…』
shp「ほんまやで…んで、なんで帰ったん？用事あるなんて嘘やん。俺とあの後猫カフェ行く予定やったくせに」
『う…』
雰囲気が一転して、鋭いショッピの質問に言葉が詰まる。なんて言って誤魔化そうかあれこれ考えるが、どれもこれも最悪の言い訳にしかならない。私が黙っていると、ショッピが
shp「…あの時不可抗力とはいえ、Aを放ったらかしにしてすまんかった」
『…え？』
突然謝られて、私は思わずまぬけな声がでてしまった。違う。違う違う違う。なんでショッピが謝るの。悪いのは私なのに。
『ちがっ…ショッピは悪くない！私が…！』
そこまで言ってまた言葉に詰まる。言いたいことがあるのに喉につかえて上手く言えない。
shp「…A」
私がまた黙り込むとショッピが私の名前を呼んだ。
shp「俺と、あの人が喋ってた時嫌やった？」
あの人とは金谷さんのことだろう。
言っても、いいのだろうか。いや、駄目ならきっとショッピは聞いてこない。
『嫌、だった』
ようやく絞り出した声は掠れて自分でも小さな声だと思った。
私の返答を受けたショッピは少しだけ黙ると
shp「俺、Aのこと好きなんやけど」
『…え？』
shp「Aも俺の事好きなんやって自惚れても、ええんか？」
予想だにしない言葉にまた間抜けな声が出る私に、最後の方はショッピにしてはめずらしく、震えていて、その震えがなにやりもその告白が嘘じゃないと語っていた。しかし、私の頭はパンクしそうで、顔はきっと真っ赤だ。早鐘を打つ心臓はにだんだんと熱を持ってくる体に私はどうすればいいのか分からず、でもなにか答えないとと口を動かしてみるが言葉にまではならない。
『…好き』
漸く言葉になったのはこの二文字のみだった。それでもショッピには十分だったみたいで、ショッピは擽ったそうに笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 131人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リツカ(プロフ) - ラピスティアさん» ラピスティアさんコメントありがとうございます！わーとてもとても嬉しいですありがとうございます;頑張ります！！！！！！！！！ (2月8日 23時) (
レス) id: 38d80545ef (このIDを非表示/違反報告)
ラピスティア(プロフ) - shpルート完結おめでとうございます！リツカさんの書く物語全部大好きでいつも読ませてもらっています！各ルート完結まで大変だと思いますけど応援してます！頑張ってください！ (2月8日 23時) (レス) id: 686e242ca7 (このIDを非表示/違反報告)
リツカ(プロフ) - わんわさん» わんわさんコメントありがとうございます！私もいい加減書き切りたいなーとは思ってるので頑張ります！ (2月8日 20時) (レス) id: 38d80545ef (このIDを非表示/違反報告)
わんわ(プロフ) - この作品めっちゃ好きで繰り返し見てます✨️完結まで各ルート大変だと思うんですけど見たいので頑張っていただけると嬉しいです！！！ (2月8日 18時) (レス) @page7 id: 4482993794 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リツカ | 作成日時：2023年10月29日 15時
