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「どうしたの？」
明らかに様子がおかしいと思って、いつもは聞かないことを聞いてみる。
すると驚いたように顔をあげて、泣きそうに顔をゆがめた。
「……す、すてんよな、俺のこと」
「うん。今更、何に不安がってるの？」
出会ったときは、それはもう荒れていた。近くの中学校にどうしようもなく手が付けられない化け物がいると。それが彼だった。当時、立場上男装をしていた私に殴りかかってきたから，それを伸しただけ。
捨てるならとうの昔に捨ててる。
気まぐれで拾って、気まぐれでそばにいることを許しただけだったけど、今はそばにいないと不安になるくらい、私の環境の一部だ。
何かを言いかけて口を閉ざす。それを繰り返して何も言えない彼を笑って抱きしめる。
「ショッピを拾ったのは私だもん。捨てない。捨ててあげない」
だってそんなことしたら、保健所に訴えられちゃうでしょ？とおどけて見せた。
紫水晶の瞳が少しだけ光を灯す。そうして、少し歯を見せて笑った。
少し元に戻ったみたいだ。
「だったら俺の手綱、ちゃんと握っといてな」
「こんな生意気な猫、私にしか躾られないでしょ？」
一層強く、腕の中の温かみを抱きしめた。落ち着いてきたところで、もう少し具体的は話を聞きたい。
誰が私の猫をここまで苦しめたのか。
「それで？何があったの？」
「チンピラに絡まれてもうて、叩きのめしたら昔の自分思い出しもうた」
「荒れてたもんねー。何に対して反抗してるのかこっちにはわからなかったもん」
「俺も分からん。ただ、俺のご主人様はそういうのに関わりたくなさそうやし、なのに俺は喧嘩ばっかして怪我して。それで、捨てられたらどうしようって」
「そんなことじゃ捨てないよー。だって物理行使をしないポジションにいてもその世界からは逃れられないくらい、私たちは組織の一部なんだから。敵はすべて潰しておいで。片づけは私が頼んであげるから。これからも頼むよ？」
私の黒猫さん。
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下僕(？)syp×主人(？)夢主
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作者名：mituba | 作成日時：2023年10月16日 15時
