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「さ、もうこんな時間。ぜひご飯食べてって」
「え、で、でも」
「いいから！うちの人も会いたいって言ってたし、食材もいっぱい買ってきたから大丈夫。猿山先生からたくさん食べるって聞いてるからね」
楽しそうにしてるから、もう何も言えなかった。なんか断るのも違うと思ったし。
できるまでAと話をしておいで、とリビングを追い出されてしまった。
教えてもらった部屋の前。緊張しながらドアをノックする。
小さくドアが開いて、部屋着のあいつが見えた。「入っていいよ」と一言だけ。
「こ、これ」
少しよれてしまっているプリントを渡す。また、ありがとうと一言だけ。
学校でのおしゃべりは鳴りを潜めて、少しつらそうにしてる。
「猿に、言われてん。話して来いって」
「うん、知ってる。昨日の夜、猿山先生が来てゾム君をこさせるって言ってたし。さっき下でお母さんの声が聞こえてたから」
「そか……なぁ、なんでいじめられてんの？俺は、お前がいじめられる理由が分からん」
質問が唐突で、一番の問題だったからか、あいつは口を引き結んだ。苦しそうにしてて、聞かなきゃよかったと後悔し始める。
「い、嫌やったら言わんでも……」
「ううん、嫌じゃないんだ。でも、わかんない。最初は小さいいじめで、でも水を教室でかけられるなんて、思ってなくて」
「そか」
また沈黙。
いつもなら誰と二人でも気にならないのに、場所が場所で相手が相手。
それで余計に痛くて、耐えられなくて、口を開いた。
「俺、勉強嫌いやねん」
「え？」
「学校も、嫌いや。あいつら……仲間とおった方が楽しいし…………でも、お前と受ける授業は楽しかった。ちょっとだけ、勉強わかるし」
「……うん」
「せやから明日、学校いけそうやったら、行こ」
「……うん」
「いじめられたらそいつら、俺が殴ったるから」
「それは、駄目だよ」
Aは小さく笑った。やっと笑ってくれた。
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不良zm×不登校気味夢主
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作者名：mituba | 作成日時：2023年10月16日 15時
