入室 ページ28
Side ht
マンちゃんと彼女と共に会議室まで来た。ここまではちゃんと予定通り。ただ…………
ht〈大丈夫？〉
《(こくこく)》
彼女の顔色がすこぶる悪い。今は長時間歩かせると息切れを起こすから俺が抱っこしている状態なんだけど、カタカタ震えているし、ドアを見つけたまま逸らさない。
大方ドアの向こうの気配の多さに怯えているんだろうけど、結構みんな隠しているはずなんだけどな、気配を感じるのが得意なのか……
os「開けるめう」
ht「うん」
ぎゅうっと手に力を込めて俺の方あたりを握りしめ、その上に額を載せて蹲まるような姿勢をとった。でもその力は弱い。
gr「来たか」
サボりぐせの強いチーノや大ちゃんもしっかり揃っていた。彼女は未だに蹲ったまま、顔をあ
げない。
グルッペンの言葉には無言を返し、マンちゃんが座る右側の定位置に腰を下ろした。因みに、俺のもう片方は大ちゃん。
ut「えーっと、じゃあ会議始めるで。今回は当事者も参加ってわけやけど……」
大ちゃんはちらりと彼女を見る。
俺の膝の上に載せたはいいものの、スカートの裾をぎゅっと握りしめて下を向き、かたかたと震える姿は、もしかしなくても緊張どころの話ではなく、完全に泣き出す寸前だ。
ut「……げ、げどちゃん、その子大丈夫そう？」
ht「どうだろう」
気を遣って小さな声で話しかける大ちゃん。返した俺の言葉について声を荒げる。
ut「もー、せやから言ったやん。早すぎるって」
gr「善は急げだ」
グルッペンが言葉を発すると彼女の肩がはねて、更に縮こまる。これは……
ht「グルッペン、声出さないで」
gr「は？」
ht「声にびびってるの。怖がらせずにちゃんと話がしたいなら黙ってて」
kn「あーっはっはっはっは!!」
コネちゃんの大きな笑い声にとうとう彼女は俺の胸元あたりの服を掴んで俺を見上げてきた。大きな黒曜石の瞳には大粒の涙が溜まっていて零れ落ちそう。
ht〈怖かった？〉
彼女のわかる言葉で話せば安心したように息を吐いてこくこくと頷く。ぎゅっと瞑った目からは涙。そんな彼女をぎゅっと抱きしめた。
ht〈大丈夫。俺の仲間だから、怖くないよ〉
《ぅん》
小さく声を出す。落ち着けるようにそっと髪を梳きながら、大ちゃんとトントンに視線を送った。
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mituba(プロフ) - イフランさん» 返信が遅くなってしまいすみません。一時的に消しており、リンクを外すのを忘れていました。気長に待っていただけたら幸いです。 (2023年4月20日 0時) (
レス) id: 813a1e4083 (このIDを非表示/違反報告)
イフラン - あの、続編が見れないのですがどうしたらよいでしょうか？ (2022年12月8日 18時) (レス) @page48 id: 3fb11a0d0c (このIDを非表示/違反報告)
83犬くん(プロフ) - はっ！もしかして(散歩)で出てきた歌？って想像フォレストですか！？ (2021年8月13日 10時) (レス) id: 9695dd25e0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒジリ(プロフ) - リアルが大事、受験が大事です。行きたい目標があるなら尚更。私達は待ちますので受験頑張ってください。お疲れの出ませんように、無理をしないでお過ごし下さい。 (2021年8月13日 10時) (レス) id: 6322f6bbea (このIDを非表示/違反報告)
アオ。(プロフ) - 偉いなぁ…(自分も今年受験なのに夢しょ見てる) (2021年6月27日 22時) (レス) id: c1ff111598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mituba | 作成日時：2021年1月21日 21時
