神i田笑i一 3 ページ25
ぱしり、と力を込めようとした腕を掴まれた
突然の事に驚く暇もなく腕を引っ張られる
抵抗しようとするもあまりにも強い力に抗えず、私の体は180度向き直ってドアに押し付けられた。
掴まれた腕も、押し付けられた背中も痛い
堪えていた涙が痛みによって溢れてしまう
「勝手に離れるとか、許さないよ」
神田君の声だ、でも私が聞いてきた声はもっと優しかったはず、それにこんなに怖いことをする人でもなかった。
この人、本当に神田君なの……?
確認しようにも、今は目を合わせてはいけないと本能が叫んでいる
俯くことしか、できない
恐怖に震えているともう片方の腕も掴まれてしまった
あぁ、片腕だけだったら振り切って逃げることができたかもしれないのかな
そんなことを考えるが手遅れだ、足もすくみきってしまって動かせない
もう、逃げられない
「こっち向きなよ」
腕から手が離れたのもつかの間、首をぐい、と持ち上げられる。
神田君の姿を目に写してしまった
いつもにこにことしている姿はどこにもない
口元からは笑みが消え、いつも開いていないはずの瞼が開いていた
……ずるい
その顔は今まで見てきたどの表情よりも真剣そのもので
恐怖で早まっていた心臓が別の意味で早くなる。
「もう、離れさせてよ……これ以上好きになりたくない!!自分が、自分じゃなくなってくみたいで怖いの……!」
最初こそ幸せだったこの関係も、どんどん私の愛が重くなるにつれて勝手に不安になって、勝手に傷ついて、辛いのに、このままだと絶対彼から離れられなくなる
きっとこんな私は迷惑だろう
話せばわかってくれる、そして別れてくれる
そう信じて自分がどれだけ重いか、傷ついているかを涙と共に零した
一通り話し終えた私を、ずっと見つめている神田君、
その感情は読み取れないけど、顰めた眉から明らかに良く思ってないことだけは分かる
この気持ちからやっと解放されるんだ
自分でも嬉しいのか悲しいのかわからない、ただなんとなくすっきりした
なんて言われるんだろう
嫌われちゃうかな、もう顔も見たくないとか言われちゃうかな
ふと、腕を掴む力が消えた
その力だけをを支えになんとか立っていた私はべしゃりと崩れ落ちてしまう
痛い、痛いけど悲鳴をあげる気力は無い
神田君は尻もちをついた私と目線を合わせるようにしゃがみ込み、ようやく言葉を発した
「A、なにか勘違いしてない?」
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水桜時 - リクエスト失礼します。卯月コウでお願いしてもいいですか?(できれば学パロで放課後遊びに行く〜みたいな感じで) (2023年4月14日 18時) (レス) id: 9943baf392 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - たまさん» まさか世界平和が訪れていたとは((感想本当にありがとう御座います!めちゃくちゃ励みになります、、! (2021年9月12日 20時) (レス) id: b7184e5adb (このIDを非表示/違反報告)
たま - めっちゃ助かりました。ありがとうございます。最近の荒んでいた心が落ち着いて地は浄化され、川はせせらぎ、風が爽やかに吹き、地球が救われました (2021年9月12日 13時) (レス) id: ba3a5d47c2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - めっちゃ面白いですね!でもかなかなとガッくんが怖すぎてカッコいいどころじゃなかった……ww (2021年8月19日 17時) (レス) id: a23bff774f (このIDを非表示/違反報告)
景璃(プロフ) - ししゃもさん» ありがとうございます!これからも頑張ってください!待ってます! (2021年8月15日 1時) (レス) id: 4f4ca6d63e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃも | 作成日時:2021年8月4日 22時