疲れたあなたを2434たちが出迎えてくれるそうです【短編集】

緑i仙 3 ページ20

部屋に入った途端、超絶美味しそうな匂いに包まれ思わずお腹が鳴る。



「お腹鳴ってんじゃん、早く食べよー」



そんな私に向かって小馬鹿にした口調が飛んでくる



いつもなら皮肉の1つや2つ返すんだけど、緑の手に持ってるものを見てやめた



オムライスだ



Aってどの食べ物が1番好き？と聞かれたら絶対に緑のオムライスと即答できるレベルに好き



無言ダッシュで椅子に座る私を見て、Aこれ好きだもんねぇと笑う緑



オムライスよりお前が好きだぞ……なんて思うが言葉には出さない、



いただきまーす！



やはり緑のオムライスはいつも通り美味しくて、あっという間に平らげてしまった



その後、お風呂に入りジュースで乾杯をし、ドラマを見ながらお菓子を摘んで談笑する



どの瞬間よりもこの時間が1番好き
緑といると全部が1番好きになる
……やっぱり好きだなぁ、緑のこと



なんて考えていたら見ていたドラマが終わりそうなことに気づく
エンディングを見終えてからなんとなくチャンネルを変えてみると、最近流行っている恋愛もののドラマが流れ出した



なんか気まずい
一方的に好意を抱いているから当たり前なんだけど、気まずくなるのも私だけなんだ、と思うと少し寂しい気がしなくもなくも…うん。



そっとテレビから目を逸らすと、いつのまにかこちらを見つめていた緑の視線とぶつかった



「……緑、どうしたの？」

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