疲れたあなたを2434たちが出迎えてくれるそうです【短編集】

三i枝明i那１ ページ1

疲れ過ぎた…



溜め込んだ仕事を一心不乱になっていたら終電を逃してしまったのだ、一生の不覚。



近くのホテルをあらかた回ってみたけど、魔の悪い事にどこも満室だし



どうしよう、ここから歩いて帰る？いやいや2時間以上はかかるって
…次はネカフェでも探すか



回らない頭でそこまで考えて地図アプリを開こうとスマホを取り出した



電源ボタンに力を入れる前なのに画面が明るく光って、驚いて取り落としそうになる



「び、びっくりしたぁ、LIMEの通知…誰からだろ」



こんな夜中に連絡してくる人いたっけな、と思いながらも画面を開くとそこには



『今日返すって言ってたDVDAの家に持ってくの忘れたわ！まじすまん！！！』



「あー、そんな約束してたっけ」



ロック画面を進んだ先には一応恋人である明那からのLIMEが表示されていた。



一応！？酷くない！？という明那の声が聞こえてきた気がして、絵文字がいつも気持ち悪いからでしょ、と脳内であしらう。



「…そういえば。」



イマジナリー明那と話していたら思い出した
明那の家、この付近じゃなかったっけ。



暑さに完全にやられて全く頭になかった、地図アプリを開いて現在地を見る。



「ちっっっか…」



誰か謀ったのでは、というレベルで近い
ここから徒歩で5分ほどの距離だ



もしかして無意識のうちに近くまで歩いてきてたんじゃ…？という考えが頭をよぎるが、恥ずかしいので気づかなかったことにしよう。



正直LIMEをおくるのも面倒臭いレベルにだるい、申し訳ないけどこのまま突撃しちゃお



重たい足を引きずりながら、私は明那の家へと向かった。

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