疲れたあなたを2434たちが出迎えてくれるそうです【短編集】

加賀i美ハiヤト 3 ページ42

企画が、踏み倒され……、？



予想外の事態に頭が真っ白になる。
なんで、あんなに順調だったのに！



とにかく先方に出向かなければ
私は部下を押しのけると駆け足で駅へ向かった。





、、、、、



全て、元通りにできた。



はぁ、と長いため息を吐く



発端は、生産工場の倒産
それを耳にした先方が、契約を破棄に持っていこうとしたのだ
しかし、我が社は信頼の加賀美インダストリアルだ
もちろん代わりの会社を用意する手筈だったけど
その通達ミスがこの結果に繋がったみたい



今回の件は、社長がここまで他会社との信頼を得てきたからこそ上手くことが進めることが出来た
あれだけ行動が幼くても、やはり社長は社長、能力があるからこそ、社長は今の地位にいるのだ。




絶対に本人には言わないが、私は社長を心から尊敬している
……尊敬しているから、好きになった



一人でほんわかしちゃったな
さて帰ろうかと重たい腰を上げた時、ポケットに異物感を感じる
ごそごそと探ると、ちゃりんと鍵が出てきた、



鍵……？鍵……



「鍵だぁ！！！！」



思わず叫びながら立ち上がってしまう、なんとか契約を取り付けたい一心で社長との約束をすっかり忘れていた…、
時計を見ると時刻は10時をまわっている、今から急いで行ったところでついた頃にはもう夜も遅いだろう、積もる話なんてできっこない



あぁ、本当にやってしまった
ムードぶち壊しだよな、やっぱいいですとか言われたらどうしよう、絶対に立ち直れない自信しかない



とにかく、まずは謝ろう
社長も間違いをしたらほうれんそう、なんとかするのが先決です、って言ってた



LIMEを開こうと携帯を取り出す、と同時に震え始めた
電話だ



画面を見ると『加賀美ハヤト』の文字
私は急いで電話を取る




「社長、すみません！私……」




なんて言っていいのか分からない、勢いで電話を取るんじゃ無かった、もっとちゃんと文章を考えておけば
頭を後悔が埋め尽くし言葉が続かない



「Aさん、落ち着いてください。大丈夫です、全部わかってますから」

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