青春ライバー【2434/学パロ/短編集】 (ページ7)

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kgm×幼馴染×約束ページ7

「ずっと貴方の事だけを想っていました…！早速、結婚を前提にお付き合いしましょう！」

知っていた、今日我らが2年F組に世にも珍しい転校生来ることは

だが、誰がこんな事態を予測できようか
教室の扉が開いた瞬間
いや、正確には私と転校生の目が合った瞬間

ものすごい勢いで私の机の前まで来たかと思えば、いきなりプロポーズをかましてくるなんて

衝撃の初対面から季節が一つ過ぎた今

「お昼ご飯、ご一緒しても良いですか？」

チャイムが鳴ると同時に、隣の席からそんな声な聞こえる

もはや日課となってしまったその言葉に、錆びた扇風機のような動きで顔を向けた

目に映ったのはこちらに向かって柔らかく微笑む、どれだけ控えめに言っても美少年と、そう言わざるを得ない彼の姿

彼の名前は加賀美ハヤト、在りし日の転校生である

「あー、えっと…い、いや」

嫌だ、と続けようとしたのだが、加賀美君のキラキラとした視線が私の良心にグサグサと突き刺さる

「…いい、よ」

きっと今、私の顔は死ぬほど引き攣っていることだろう
それに気づいているのかいないのか、彼はぱぁっと顔を輝かせると、失礼しますね、と声をかけて机をくっつけた

クラスメイトからの、仲良いね、だとか、もう付き合ってるだろ、とか、小声で囁かれている言葉が痛い

転校初日こそやばいやつなのではと噂になった加賀美君だが、
持ち前の容姿や誰にでも丁寧に接する姿、なんでも器用にこなす姿、でも時々抜けている所もある、といった完璧超人っぷりが発揮され
今ではクラス内での人望はNo.1、絶対的王者にまで上り詰めていたのだ

隣で美味しそうにプチトマトを頬張る彼がそれらを計算で行っているとは思えないし、実際彼は天然なのだろう

でもそんなことはどうでもいい、問題は彼がその絶対的地位を手に入れた後

加賀美君に好きな人がいるらしい、よし、皆で応援しよう！なんて流れになってしまったこと、これが問題だ

何故かお相手であるらしい私は、何度席替えがあってもクラスの皆の協力の元、教室の左隅というベストポジションに加賀美君と永久に隣の席だし、一緒にいた友達は何故か気を遣って離れていってしまった

「あの、加賀美くん」

小さめのハンバーグに向かって箸を伸ばしていた彼に話しかけると、なんでしょう？と良い笑顔をこちらへ向ける

「あの…さ、何回も聞いて申し訳ないんだけど、なんで私なの…？」