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kne×屋上×同級生 ページ1

昼休みのチャイムが鳴り響く中、私は階段を登っていた



ここは三階、そしてこの校舎は三階建て
しかし、私の足はさらに上を目指す



階段を登り切った先にポツンと一つ佇む扉
私は躊躇わずその扉を開いた



開いた瞬間ぶわ、と風が吹き抜ける
そう、ここは屋上
友達のいない教室に息が詰まり、誰もいないであろうここへ逃げてきたのだ



息を吸えば新鮮な空気が肺を巡って気持ちがいい
改めて景色を見渡そうとぐるりと目線を回すと、私の目に予想外のものが目に入った



「Aさんじゃん、奇遇だね」



なんで私の名前を
貴方は誰
そんな疑問も知らない人が居た、という驚きに塗りつぶされて、失礼しました!!と扉を閉めようとする
しかし、相手に手招きされていることに気付いて手を止めた



流されるままにその人に近づく
整った顔立ちに柔らかな髪の男の人
多分同学年の人、だと思う、、



「Aさん、もう進路決めた?」



「ま、まだ決めてないです」



いきなりなに?
そう思ったのも束の間、彼はまた口を開く



「ふーん、でもAさん勉強出来んじゃん、今度僕にも教えてよ」



「え、はい、、」



その後も、好きな教科は、好きな食べ物は、暑がりか寒がりか、なんの季節が好きか、などなどなど
私は淡々とそれに答えていたのだが、ついに堪えきれなくなり彼の言葉を遮る



「あ、あの!なんでそんなに質問ばっかり?それに、私の話なんか聞いても何も面白くないですよ、、?」



前者は勿論だが、本音は後者だ
クラスで友達もできない、口の達者でない私と話していてこの人は楽しいのだろうか?



彼は少し悩むような素振りを見せた後、ゆっくりと口を開いた



「まぁ、好きな人の話につまらないなんてないよね」



「、、え?」



いきなりのとんでも発言にどういう意味か問おうとしたが、昼休みの終わりを告げるチャイムに遮られる



「僕もう行くわ」



思考停止した私は去りゆく背中を呆然と眺めることしかできない
ガチャリと扉を開いたところで、彼の動きがぴたりと止まった



「あと、僕の名前は叶だから、それに同じクラスだよ」



Aさん知らなかったでしょ、そう言って笑うとひらひらと手を振る
また明日ここで同じ時間に、なんて爆弾を投下しながら



バタン、と扉の閉まる音で身体中の力が抜け落ちてへなへなとその場に座り込んだ



なんなんだ、あの人は

myzm×不登校×腹黒委員長→



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作者名:ししゃも | 作成日時:2021年11月23日 0時

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