【d!】忘失 (ページ22)

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21話ページ22

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人間として何か欠如している、その言い方は失礼過ぎただろうか。まあいいや。

心無い人達ならまだしも、しんぺい神さんや兄さんもその括りに入れるのは失礼か。

｢欠如て……
んなもん、全員やろ。この世界から見れば｣

その通り過ぎてぐうの音も出ない。

向こうの世界では……前世では、自分たちが戦わなければならない状況だった。

戦わなければ何も変えられない世の中だった。

戦争無しでは、国が、国民が、どんな酷いことをされるか分からない世の中だった。

……そんな世界で育ってきた私達の感覚は、今世を生きる人達にとっては異常なんだろう。

戦争を楽しんでたのは否定できないが。

『そうですね
……で、何人かは記憶があるんでしたっけ。
少し会ってみたい欲あります』

｢誰が断んねん。仲間やろ。何時でも会いに来いや。
何なら今から行くか？生徒会室とかに皆おるけど｣

『記憶が無い人を刺激すると悪いのでそれはパスで』

｢あぁ……確かに。どうなるか分からへんもんな。
んじゃ、また次の機会にしよか。手助けはするで｣

『ありがとうございます。
グルッペンさんとかには伝えといてくださいよ。
早めに言っておかないと機嫌損ねそうですし』

｢ふはっ、確かにｗ適当なタイミングで言っとくわ｣

『よろしくお願いします。
……そう言えば、本来はショッピ君に用があったのでは？』

｢せやった！！！！！！
ヤバい、はよ行かな……！

じゃ、また今度な！｣

全力ダッシュで階段を降りていくコネシマさん。

相変わらず、嵐みたいな人だな。

思わず笑みがこぼれた。

そろそろ私も、帰ろうか。