【antsa】恋愛模様【短編集】 (ページ9)

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怪我してみた<黄の場合> ページ9

駅待ち合わせして久々のデート。

いつもは履かないスカートやヒールを纏って車で迎えに来てくれる彼を待つ。

水族館に行ったりショッピングをしてたらもうすっかり外は暗くなってしまった。

慣れないヒールを履いて長時間歩いていたせいか、躓いて転んでしまった。

「A大丈夫！？」

横で歩いていた彼は酷く心配そうに私を起こしてくれる。

「隣にいたのに支えられなくてごめんね。」

「いや、大丈夫だよ。ハネルまで巻き込まなくて良かった。」

「俺は巻き込んでもいいのっ！」

そう言ってぷんぷんという擬音が当てはまるように可愛く怒る彼。

「乗って？車までおんぶしてあげる。」

ここで断っても折れない事は知っているから、好意に甘えてお願いする。

軽すぎだよ〜なんて小言を言いながらまたぷんぷん怒る彼の体温を感じながら

今日の事を振り返り幸せに浸るのだった。