惚気られてみた<黄の場合> ページ19
忘れ物をした彼に物を届けに来ただけだったんだけど、
多分、これは、聞いちゃいけないものを聞いている。
「すぐに照れて真っ赤になっちゃう所とかマジで可愛いの。」
「Aちゃんって小動物っぽいもんねぇ」
「そう!なんであんなに可愛いんだろ〜」
そう話してるのは彼氏のハネルとまさとくんだ。
「こんな話してるの聞いたらきっと照れちゃうんだろうなぁ」
扉の前に居ます。聞こえちゃってます。
じわじわと顔が熱くなるのを感じる。
あぁ、もうやめて…恥ずかしさのあまり少し目に涙まで浮かぶ。
嬉しい、嬉しいけど恥ずかしい。
「あれ、Aじゃん。何してんの?」
そう声をかけてきたのはまりんくん。
ハネルの忘れ物か、なんて呟いてこちらの気も知らずに扉を開ける。
私に気付いた彼がこちらに寄ってきて忘れ物を受け取る。
「あ、ありがと〜!ん?顔赤くない?熱?」
こちらの事情なんて知るはずもない彼に、何でもない!またね!と勢いだけで外に出た。
後日聞いてたことを知り、ニヤニヤとからかってくる彼がいたとか。
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作者名:莉斗 | 作成日時:2022年6月11日 15時