28話目 ページ28
―ASide―
3時間前
Aは、とある研究所の会議室にいた。
「・・・――それでは、以上を持ちまして定例報告会を終了します」
司会進行役がマイクを切り、一礼をした。
Aの近くに数人の年配の科学者が世間話をふってきた。
「いやいや、相変わらず貴女のご両親の仕事っぷりには感銘を受けますよ」
「貴女も研究成果と別で仕事をかなり早く仕上げているそうじゃないか?さすがサラブレットというべきかな〜、ワハハ!」
『恐縮です。私はまだまだ父と母の足元にも及びません』
Aが年配の科学者たちと立ち話をしていると一人の女性が近づいて来た。
「こんにちは、工藤Aさん」
彼女が来るやいなや一緒に立ち話をしていた科学者たちが蜘蛛の子が散るように足早にその場を離れて行った。
「あら?・・・お邪魔だったかしら?」
『・・・いえ、助かりました』
Aは彼女と会議室から出て、人気のない喫煙ルームへ移動した。
彼女は鞄から書類袋を取り出しAに渡すと、タバコを取り出し火をつけ「ふぅー」と深く息をはいた。
「・・・そのデータのセキュリティを強化して頂戴。・・・数日前に一部データを盗まれたわ」
『警備が万全な会社で管理させていたんじゃないの?』
「・・・ふん。強力なゴキブリが沸いたのよ」
タバコを吸っていた彼女は窓の外を眺め、タバコの火を消し灰皿に落とした。
『どっちの仕事を優先にしたらいいの?』
「両方よ」
『はぁー、私を過労死させるつもりですか?』
Aはムスッとし、受け取った書類袋を鞄にいれるとスマホを取り出して予定表を開いた。
「ねえ、A。あなた今日はちょっとお洒落してるけど、この後デート?」
『デートじゃないけど・・・、ちょっと人と会うので』
スマホを操作していた指を止めたAの顔は少し赤くなっていた。
「その服装もいいけど、もう少し大人っぽくしたらどうなの?」
『う・・・、子供っぽいですか?』
彼女が椅子に座ってAの頭からつま先までチェックすると「よし、着替えましょう」と言い、Aの背中を押しながら喫煙ルームを出て行った。
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着替えましょうと言われて、向かった先は近くのブティックだった。
ブティックに着くとAは着せ替え人形の様に次々と彼女が選ぶ服を着ると、彼女は満足気に「それにしましょう」と言うとテキパキと一式購入して「無理に仕事頼んだ礼として受け取って」と言い残し別れた。
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スタミュ ラブ - 作品読みました!凄く好きです!安室さん格好良すぎです!一番好きです! 続き楽しみです!更新大変かもしれないけど、頑張って下さい! (2017年6月24日 18時) (レス) id: 2755443495 (このIDを非表示/違反報告)
rito83_(プロフ) - えりこさん» えりこ様。コメントありがとうございます(^^♪ストックはあるのですが、自分が納得する内容になってから公開するようにしてしまったので更にカメ更新に・・・スミマセン(汗)でも、これからも頑張ります! (2017年6月6日 22時) (レス) id: 4e9c651773 (このIDを非表示/違反報告)
えりこ - いつも更新楽しみにしています(^^)夢主ちゃんの謎も深まっていて本当におもしろいです!安室さんとの関係の進展も期待しています。更新大変だと思いますが、応援しています(^ω^) (2017年6月6日 20時) (レス) id: 2dd62819f2 (このIDを非表示/違反報告)
rito83_(プロフ) - えりこさん» えりこ様。感想有り難うございます。そのように言って頂けるだけでも励みになりますペコリ(o_ _)o)) カメ更新ですが頑張ります(^^♪ (2017年5月23日 20時) (レス) id: 4e9c651773 (このIDを非表示/違反報告)
えりこ - 初めまして。安室さんが大好きなので読ませていただいたのですが、小説の書き方も上手で読みやすくてすごくおもしろいです。続き楽しみにしています(^^) (2017年5月23日 2時) (レス) id: 2dd62819f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リト | 作成日時:2017年5月6日 23時