動悸 ページ3
「部活行かないの」
「今日弓道部休みだから。何読んどるの?」
「“人間失格”」
「太宰治の?」
「そう」
納得したようすだったから私は本に目をおとす。しかししばらく経ってもそいつは本を借りるようすもなく、ただ私が本を読んでいるのをじーっと見つめているだけだ。
「私に何か用ですか」
「いや…」
「じゃあ本読まないの」
「いや、そういうんじゃなくて。ちょっと聞きたいことがあったからさ」
「何」
「ずっとしてるよね、手袋」
きっとみんなは触れてはいけないと思っているのか、今まで誰も聞いてこなかったことだった。もちろん触れてほしくないことだから、少し動悸がする。
「触れてほしくないんだけどな」
「でも気になるじゃん」
なかなか引き下がってくれない。やめてくれ。もうこれ以上聞かないで。
「どちらにせよ、教えないからね」
「ガード固いな〜」
プライバシーの侵害だ、本当にやめてくれ。とにかく平静を保ったふうを装っているが、もう嫌悪感で心臓ははち切れそうだ。
「…本当にダメなの?」
その一言と同時に左手にあいつの手が触れる。
私は勢いよく立ち上がり、荷物だけもって図書館から飛び出した。
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作者名:莉都. | 作成日時:2018年10月10日 19時