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ズルい人１／ジェイド ページ5
「監督生さん そろそろですよ。」
ジェイド先輩から声を掛けられ 裏へと戻る
紫のグラデーションのかかった綺麗な衣装を着て
ドレスに合わせた ヒールの高い パンプスをはいて
お気に入りのグロスを塗りなおし 髪形を整え 飾りをつける
ラウンジへと戻る通路で 先輩とすれ違う
「今日も素敵なショーを楽しみにしてますよ」
私に向けられた そのたった一言で 心が浮つく
単純な自分に 心の中で苦笑しながら うなずき返す
用意されたマイクの前に立てば ラウンジは静まり 視線が集まる
合図すれば伴奏が流れだす
お客さんの中には 他とは違う瞳で私を見つめてくる人だっている
自分に 向けられている感情くらいは 分かってる
でも...私が求めているのは 貴方達からの 想いじゃない
息を吸い 燻る思いを歌にぶつける
彼の...ジェイド先輩の...
曲の合間に 何度先輩をみやっても こちらを見る様子はない
「知ってるくせに...ズルい人...」
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作者名：蒼 | 作成日時：2020年5月17日 9時
