僕の妹を簡単にあげることは出来ないよ.1 (ページ13)

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　そんな魔法型だけれど、まさか学校に入学して半年足らずで習うことになろうとは。魔法が魔法だけに、あと一年くらいは習わないのかと思っていた。だって僕らガキだもん。

「まだ君たちは、自分の魔法型が何だか分かっていないだろう」

　先生の指先はまだ光を放っている。

　そう、僕たちは自分の魔法型をまだわかっていない。

　親や大人達は魔法型を調べる方法を知っているけれど、子供達にそれを教えてはいけない決まりになっている。まだ扱い方も知らない子供には危険であるから、らしい。妥当な判断だ。

　普通に村の学舎にいたら、教わるのは18歳くらいになってからになる。魔法型を重要視していない職業に就く人なんかは、そんなに知る必要もないからだ。それに知らなくても困ることはないし、いらない武器は持たなくても持っていても構わない。普通の攻守魔法が使えるだけで十分だと考えている。

　でも僕達のようにここに来る人間は違う。魔法の絶対的な力を必要とし、学ぶ意欲もある。破魔士になろうとする人間や、貴族の人達なんかはもっと必要としているだろう。魔物と戦うことがあるのだから。

　ナナリーは受付のお姉さんになりたいだけだけど。

　僕になりたいものって出来るのかなあ。

「ねぇ先生、水と氷って一緒ではないの？」

　今日も高級感のある赤いドレスを着たマリス嬢。

　彼女もけっこう勤勉なところがあるので、アルウェス・ロックマンのことさえなければ好感が持てる。なのに今でも彼の隣にいる僕らを名指ししては、皆で貶して馬鹿にしてくるから困ったものだ。
　気にしてないけどキーキーうざい。

　僕が好意を持っているなら別だが、好意を持ってもいないのにそんなことをされていたら、嫌でも嫌いになる。

　悪い子ではないんだろうけどさあ･･･

「似たようなものに感じるだろうが、一緒じゃない。分かりやすく言えば、最初から個体を出せるか出せないかっていう違いだ」

　マリス嬢の質問に、先生がそう返す。

　とりあえず別物ってことなのだろう。

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