【文スト】太宰治の妹は無気力です

第参拾話 ページ37

｢何でこんな時に太宰はいないんだっ｣





敦君と鏡花ちゃんがポートマフィアに捕まってしまった



鏡花ちゃんと一緒にいた所を狙われたそうだ





そんな時にも、姿を現さない兄



何やってんだほんと





で、今敦君をどうやって助けるかと言う事を話していた




『僕は、普通に乗り込む』




｢それは危険だよ


幾ら碧祈でも、それは危ない｣



乱歩君が僕を止めようとする


彼なりの優しさなんだよ






どんなに大丈夫といっても、まだ引き摺ってるって分かっちゃうから



ま、僕ももうヤケクソなんだけどね





｢乱歩、解けるか？｣


｢えー、めんどくさいんですけどー｣




乱歩君ならちょっと考えれば分かるくせに…



こういう所頑固だな…




｢解けたら褒めてやる｣




社長がそう言った瞬間、乱歩君がぴくっと動いた



｢しょーがないなー( ･´ｰ･｀)｣





あ、乱歩君めっちゃ嬉しそう




｢異能力 超推理｣




そう言って、眼鏡をかけ、謎を解いていった



乱歩君の異能力は、本当の異能力では無い




本人も探偵社の皆も分かっている





でも、あの推理力はとっても凄いと思う




｢此処だよ｣





乱歩君の指を指したところ



それは海だった




これは、やばくないか…？





｢今移動中で、このまま取り引きがされる｣



『僕、行くっ！』


｢あ、碧祈、待てっ！｣



｢国木田っ！！


これを使って、碧祈と行け｣




社長から渡されたのは、鍵




車で吹っ飛ばした後に、船で追いかけろって事ね





『ありがと、社長



行ってくる！』







…もしも、また龍君と中也さんにあっても




僕の敵だ






あれが敦君とかがいる船か



『じゃ、行ってくるねー』




｢えっ！？お、おいっ！


碧祈っ！！｣





『異能力 模倣音狐


細雪』





細雪で瞬間移動して船の中に来た



散策してれば何処にいるか分かるかな






…物音がする



『異能力 独歩吟各』




独歩さんの能力で、鉄砲銃を出す



…動きが止まった






今っ！





『動くな


って、何で居るの、兄さん』



｢あれ、碧祈、久しぶりー


兄さんに会いに来てくれたのか！？｣






何で、兄さんは此処に当然の様に居るんだ




そういえば、ポートマフィアに入っていたって言ってたっけ





『…ねえ、兄さん



僕に何を隠しているの』




僕は、兄さんの事をなんにも知らない様な気がして、怖くなった

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