【文スト】太宰治の妹は無気力です

第弐拾壱話 ページ22

あの子の異能力の名前は、何だ



それすら分かればっ、止められるのに





｢速く爆弾を処理しないとっ！｣




そう言って、敦くんが飛び出した



えっ！？ちょっと何してるの！？






『敦くん、下がってっ！！』


｢う"ぁ"っ｣


『敦くんっ！！』





やばいっ、余所見してしまった




敦くんには怪我をさせないと思っていたのに







迂闊だった







その時、女の子の携帯は鳴った




携帯から、声が聞こえた





[邪魔者は殺せ]








そんな言葉が聞こえたんだ




その声は、明らかにあの人だった








龍くん…



そう、芥川龍之介…







ねえ、女の子にまで殺しをやるようになんて、楽しい？




僕は…







本当に貴方に会うべきではなかったのですね




今、目が覚めたよ






辺りが静まる中、女の子は、話したのだった




｢私の名は鏡花。

…マフィアに拾われて、六ヶ月で35人殺した｣






え、嘘だろ




あの子が35人も？





その事を考えると、助けなくちゃと思った




だって、僕は






あの事件の時に、一気にその半径10m以内にいた人全てを殺してしまったから…




あの日以来、僕はっ…








でも、もうそんな人を作らないように、





僕は武装探偵社に入ったんだから







｢もう、誰1人も殺したくないっ！！｣




っ…




あの子の本音だよ





じゃあ、異能力を止めるはずだけど…




あの子は、力不足で止められないのか





『異能力 模倣音狐


人間失格』



兄の異能力は楽だ


僕が使うようにすると、触らなくても、触ったように妄想すれば





無効化出来るんだよ






｢っ！？


夜叉白雪が、とまった…｣




そんな呟きが聞こえた

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