事実 ページ8
｢ふぅ〜…｡｣
あれから2ヶ月。私は朝日堂というところで、ひたすら矢を放っていた。ここは関係者であれば出入りが自由なので、こうして練習がない日でも来ていた。
｢こまめに手入れはしてるけど、弦の部分が緩くなってきてるな…。｣
昼用に用意していたおにぎりを頬張り、新しく調整しなければ…と思案しながら帰宅する。
すると、ここ最近たまに会う人間がこちらに手を振っていたので見ないふりをして通り過ぎる。
｢Aちゃん！｣
私は一瞬振り向き、誰のこと？とでも言うように首をかしげてから先に進んだ。
｢無視した罪で逮捕するよ？！｣
その場合どこに連行されるんだろう…。なんだかどうでも良くなってきたので、とりあえず笑顔で振り向くと目の前にその人達はいた。警察って暇なの？心臓止まりかけたよ。
｢こんにちはお巡りさん。｣
松田さんがいることに安堵する。多分このナンパ警察だけだったら完全に無視して帰ってた。
｢弓道の帰りか。｣
｢そうですよ。｣
｢やっぱ袴姿のAちゃんも可愛いねえー！中々キマッてる！｣
｢ありがとうございます…。｣
弓道歴7年になる私は、腕は褒めてもらえるものの袴姿を褒められることは最初の頃より減ったので素直に嬉しい。
｢よし、俺たちが家まで送ってあげる！｣
｢え？｣
｢不満か？｣
松田さんまで言いますか、、？今ここに味方居ないの？
｢家は花屋さんでしょ？俺たちの同期が彼女さんに花をプレゼントする時に利用したのがAちゃんの花屋さんなんだよ！｣
なるほど…。それなら知っていてもおかしくは無い、、。
｢けれどなんで？｣
｢萩原があんたの事もっと知りてぇって言うから、情報提供して連れてきたんだよ。んで花屋に行く途中で偶然あったって訳だ。｣
松田さんあなた何してくれてんですか。てか私の家に行く途中だったってことはここで会わずとも家で会ってたって事だから更に嫌になる。
それが顔に出てたのか、松田さんは企むような笑みを浮かべて言い放った。
｢抹茶スイーツが美味しい店。連れてってやる。｣
弱みを握られた人間ってこんな気持ちなんだ。めちゃくちゃ悔しいけど行きたい気になる。
｢それなら…いいですけど…。｣
｢かっこいいお巡りさんに任せなさい！｣
｢確かに顔は良いですもんね。｣
｢性格も良いよ〜？｣
｢悪い人では無いのは分かりましたけど…。｣
｢固いのな。｣
｢萩原さんにだけです。｣
｢え、悲しい。｣
失礼な。事実ですよ。
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甘川カズ子(プロフ) - 77人！！うれしーー！！！！！😭🙏✨ご愛読下さりありがとうございます！！！！！！ (4月19日 1時) (
レス) id: 5770e5aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 44人お気に入り登録ありがとうございます！！！めっちゃ嬉しくて割と本気で自分の目を疑いました、、。ところで皆さん、、、。コメントくれてもいいんですよ？？？？ (1月8日 15時) (レス) @page38 id: e3a40aaa28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘川カズ子 x他2人 | 作成日時：2023年11月13日 23時
