同情 ページ6
「へぇ〜!愛子ちゃんって看護師やってるんだ?凄いね!」
「お局がうるさいですけどねぇ…。私頑張ってるのにずっと怒ってくるんですぅ!」
帰りたい。切実に。
「頑張り屋さんな愛子ちゃんには、はい!これあげる!」
「わぁ!ありがとうございますぅ!」
萩原さんは自分の注文したコーヒーゼリーの上に乗っていたさくらんぼを、愛子のチョコアイスの上に乗せた。
私と松田さんは、2人の会話を聞きながら黙々とそれぞれが注文したものを食べていた。ちなみに松田さんが注文したのは萩原さんと同じコーヒーゼリー。
食べていたものはあっという間になくなり、全員席を立った。
「よし。それじゃあ支払いチャチャッと済ましてくるから、外で待ってて!」
「ありがとうございますぅ!」
外を出ていく愛子を横目に、私はレジに向かう。
「あれ?Aちゃん。外で待ってていいよ?」
こんなチャラ警察の思い通りにいかせるか!絶対に自分のだけでもしっかり払う。無駄に顔が良いからってカッコつけはさせない!
「パフェは別でお願いします。」
「かしこまりました。523円になります。」
萩原さんがなんか言ってるけど無視無視。さっさと払って帰ろう。
財布を取りだして自分の会計を無事済ませ外に出た。その私を追うように、萩原さんと松田さんがファミレスから出てくる。
「Aちゃん?!」
「人に払ってもらうのが申し訳ないからです。」
というのは建前。上手くいって内心ドヤ顔である。ざまぁみろ。
「次会った時にはカッコつけさせてよ?俺だって男なんだからさ。」
「……けど、払おうとしてくれたのは感謝してますよ。ありがとうございます。」
「してくれたの"は"??」
「愛子、ちょっと用事に付き合って。」
「えぇー!私ぃ、萩原さんたちともっとお話したぁい!」
誰かこの子を黙らせてくださいお願いします。
「良いから着いてきて。」
「仕方ないなぁ!じゃあお2人ともまたねぇー!」
「またねー!」
軽く手を振る萩原さんの後ろで、松田さんがズボンのポケットに手を入れながらすごいこっち見てくる。多分同情の目。
ファミレスの角を曲がったところで、私は愛子に向き直って怒りを露わにする。
「まじで許さない。」
「ゴメンナサイ」
「何回目?」
「サア?」
「あんたの逆ナンに私を巻き込むな。てかそういうことしてるといつか痛い目見るよ?」
「Aこわぁい。」
「誰のせい?」
「私?…え、待って!」
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甘川カズ子(プロフ) - 77人!!うれしーー!!!!!😭🙏✨ご愛読下さりありがとうございます!!!!!! (4月19日 1時) (レス) id: 5770e5aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 44人お気に入り登録ありがとうございます!!!めっちゃ嬉しくて割と本気で自分の目を疑いました、、。ところで皆さん、、、。コメントくれてもいいんですよ???? (1月8日 15時) (レス) @page38 id: e3a40aaa28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘川カズ子 x他2人 | 作成日時:2023年11月13日 23時