誕生日 ページ44
18時になった。ついにきてしまった。
メイクは失敗してないだろうか。髪は変じゃないだろうか。
着なれないワンピースを見つめながら、家の前で彼を待つ。
それから5分もしないうちに、車のクラクションが聞こえた。
「Aちゃーん!」
その声を聞いた瞬間、私は先ほどまであった恐怖がさらに大きくなった。
彼との今の関係を壊したくない。これまで秘めていたこの気持ちを伝えてしまえば、すべてが一気に崩れてしまう気がしてならない。
「Aちゃんだいじょう、、、、。」
立ち尽くす私を見かねた萩原さんが車から降りてきたが、途中で言葉を止めた。
「Aちゃん、とりあえず乗って!」
助手席のドアを開ける萩原さんの顔はなぜか必死だった。
「、、、、。」
「、、、、。」
沈黙が続くこと、体感30分。
「あの、、、お誘いありがとうごさいます。」
「え。あ、いいよいいよ!俺のわがままだしね。それより、、誕生日おめでとう。」
右手をハンドルに持っていきこちらを見る萩原さんは、少し顔が赤かった。
その表情、、期待しちゃうじゃないですか。
「あ、ありがとうございます、、。うれしいです。」
ちゃんと笑えてるかな。あなたにとって可愛いと思える表情でいられてるかな?
「後、その服、、、。」
ワンピースについてふれられ、少しドキッとする。
「、、、ちょー可愛い。」
と同時に萩原さんは車のアクセルを踏み込んだ。
「そんじゃあ、俺の可愛いお姫様を素敵なお城へご招待しまーす!」
"俺の"?
脳裏に焼き付いて離れず、移動中はずっとそのことでいっぱいだった。
移動中に会話なんてできるはずもなく車内は静かだった。それでも辛くなかったのはなんでだろう。
しばらく進むと、車がとある場所で止まった。
そこはイルミネーションが綺麗で、お城を模した建物から地面まで、まるで絨毯のように広がっていた。
「綺麗、、、。」
「ここは1年中やってるんだよ。班長に教えてもらってさ、、。」
そこまでいうと萩原さんは、右手をこちらに伸ばしてきた。
「Aちゃんと見たかったんだ。」
とても優しく笑うもんだから、私はただその右手に自分の左手を重ねることしかできなかった。
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甘川カズ子(プロフ) - 77人!!うれしーー!!!!!😭🙏✨ご愛読下さりありがとうございます!!!!!! (4月19日 1時) (レス) id: 5770e5aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 44人お気に入り登録ありがとうございます!!!めっちゃ嬉しくて割と本気で自分の目を疑いました、、。ところで皆さん、、、。コメントくれてもいいんですよ???? (1月8日 15時) (レス) @page38 id: e3a40aaa28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘川カズ子 x他2人 | 作成日時:2023年11月13日 23時