検索窓
今日:74 hit、昨日:372 hit、合計:24,999 hit

誕生日 ページ44

18時になった。ついにきてしまった。

メイクは失敗してないだろうか。髪は変じゃないだろうか。

着なれないワンピースを見つめながら、家の前で彼を待つ。

それから5分もしないうちに、車のクラクションが聞こえた。

「Aちゃーん!」

その声を聞いた瞬間、私は先ほどまであった恐怖がさらに大きくなった。

彼との今の関係を壊したくない。これまで秘めていたこの気持ちを伝えてしまえば、すべてが一気に崩れてしまう気がしてならない。

「Aちゃんだいじょう、、、、。」

立ち尽くす私を見かねた萩原さんが車から降りてきたが、途中で言葉を止めた。

「Aちゃん、とりあえず乗って!」

助手席のドアを開ける萩原さんの顔はなぜか必死だった。

「、、、、。」

「、、、、。」

沈黙が続くこと、体感30分。

「あの、、、お誘いありがとうごさいます。」

「え。あ、いいよいいよ!俺のわがままだしね。それより、、誕生日おめでとう。」

右手をハンドルに持っていきこちらを見る萩原さんは、少し顔が赤かった。

その表情、、期待しちゃうじゃないですか。

「あ、ありがとうございます、、。うれしいです。」

ちゃんと笑えてるかな。あなたにとって可愛いと思える表情でいられてるかな?

「後、その服、、、。」

ワンピースについてふれられ、少しドキッとする。

「、、、ちょー可愛い。」

と同時に萩原さんは車のアクセルを踏み込んだ。

「そんじゃあ、俺の可愛いお姫様を素敵なお城へご招待しまーす!」

"俺の"?

脳裏に焼き付いて離れず、移動中はずっとそのことでいっぱいだった。

移動中に会話なんてできるはずもなく車内は静かだった。それでも辛くなかったのはなんでだろう。

しばらく進むと、車がとある場所で止まった。

そこはイルミネーションが綺麗で、お城を模した建物から地面まで、まるで絨毯のように広がっていた。

「綺麗、、、。」

「ここは1年中やってるんだよ。班長に教えてもらってさ、、。」

そこまでいうと萩原さんは、右手をこちらに伸ばしてきた。

「Aちゃんと見たかったんだ。」

とても優しく笑うもんだから、私はただその右手に自分の左手を重ねることしかできなかった。

ただいま執筆中!→←当日



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
94人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

甘川カズ子(プロフ) - 77人!!うれしーー!!!!!😭🙏✨ご愛読下さりありがとうございます!!!!!! (4月19日 1時) (レス) id: 5770e5aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 44人お気に入り登録ありがとうございます!!!めっちゃ嬉しくて割と本気で自分の目を疑いました、、。ところで皆さん、、、。コメントくれてもいいんですよ???? (1月8日 15時) (レス) @page38 id: e3a40aaa28 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:甘川カズ子 x他2人 | 作成日時:2023年11月13日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。