事件の香り ページ19
トイレにこもって５分程した頃、愛子の"もういいよー！"という声が聞こえたので恐る恐るトイレから出た。
｢まさかトイレに逃げるなんて思わなかったわ笑笑｣
｢愛子がそんなおしゃべりだなんて思わなかった。｣
｢いいじゃん！……萩原さんには効果覿面だったみたいだし。｣
最後の一言は私にだけ聞こえるように言ってきた。一方の萩原さんはすっごくにこにこしてる。それはもう見たことないくらいに。
｢Aちゃん！｣
｢は、はい？｣
｢仕事で忙しい事が多いかもしれないけど、何かあったらいつでも頼ってね！｣
一体何を吹き込まれたんだろう…。
｢お気遣いありがとうございます。｣
｢ちょっとA〜。あんた萩原さんに対して固くない？私くらいでいいと思うよ？｣
仕方ないでしょ！緊張するんだもん！
なんて思っていたら、再び出入口からカランコロンと音がした。と同時に男性の声で"すみません、コーヒーを1つ。"と聞こえた。
その男性はパーカーを頭まで着込んでおり、そう言うや否や、出入口から一番近い席に座る。
｢かしこまりました。少々お待ちくださいね。｣
｢えっ…。｣
｢何？どうしたの？｣
｢え、あ、ううん。なんでもないよ。｣
何故か男性に睨まれた。けれどその目には見覚えがあった。この間、高速道路での爆弾事件の後に見た男性だ。間違いない。
｢なんで…。｣
カウンターの席に座ってお茶を一口飲んだ後に呟く。
｢Aちゃん。｣
｢萩原さん。｣
｢何かあったらいつでも頼っていいからね。｣
低くて暖かい声に安堵する。
けれど私はまずいと思った。
もしあの男性が私に何かあって狙っているとしたら、今声を掛けてくれた萩原さんは知り合いだとバレてしまったことになる。
けれど萩原さんとは電話をしない限り会うことはないはずなので、問題は愛子だ。愛子が声を掛ける前に1人でポアロを出よう。
｢A。マジで大丈夫？｣
馬鹿なのか。いや違う、これは私が悪いし心配してくれてありがたいけど今声掛けないでほしかったよ愛子…。
願ってか、男性が先にポアロを出ていった。
｢ふう…。｣
｢大丈夫ですか？｣
｢安室さん…。｣
話した方がいいかな…。大事になる前に話しておいた方がまだ安心できるよねきっと。
｢萩原さん。早速頼ってもいいですか？｣
｢おうよ！なんでも言ってごらん？｣
｢実は私………。｣
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甘川カズ子(プロフ) - 77人！！うれしーー！！！！！😭🙏✨ご愛読下さりありがとうございます！！！！！！ (4月19日 1時) (
レス) id: 5770e5aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 44人お気に入り登録ありがとうございます！！！めっちゃ嬉しくて割と本気で自分の目を疑いました、、。ところで皆さん、、、。コメントくれてもいいんですよ？？？？ (1月8日 15時) (レス) @page38 id: e3a40aaa28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘川カズ子 x他2人 | 作成日時：2023年11月13日 23時
