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回想(父の死の詳細が分かりますが飛ばしても大丈夫です!) ページ2

朝6時に起きて準備をしていると、父が朝からなんだ…と愚痴を吐きながら電話に出るなり、顔つきが変わった。

すまん行ってくる!!と言って朝食も食べずに出ていった父に、いってらっしゃーい!なんて呑気な言葉をかけてしまった。

その日を最後に、父が帰らぬ人になるとも知らずに…。

春休みに入ったが店は開いている。来月の入学式のためか、花の予約の電話が絶えず忙しかった。

「春休みに入ったばかりなのに…。」

いつも通り配達を終え、自販機で買ったジュースを飲んでいた。

すると何やら避難誘導をしている声が聞こえ、何かあったのかと興味本位でその場所を覗いてみると、たくさんのパトカーに救急車、見覚えのある防護服を着た人達が居た。

こんな事は今まで沢山あったが、私はとある人物を見つけて一気に青ざめた。

父が居たんだ。公衆トイレの入口に跪く防護服を着た父が。しかも何やら黒い物体をいじっている。あれが爆弾だと分かるまでに時間はかからなかった。

いつか母に言われた言葉が脳裏をよぎる。

〈いい?A、朔真。お父さんはね、とっても危険なお仕事をしているの。〉

〈危険?〉

〈そう。とっても危なくてね。命をかけて一生懸命に戦っているのよ。〉

〈命をかけて…。〉

当時の私はとてつもなく勉強嫌いで、爆発物処理班なんて難しくて分からないと調べもしなかった。だから次の母の言葉でようやく分かったんだ。

〈間違えればお父さんは死んでしまうの。そんな大変な仕事。〉

それを聞いた瞬間恐怖に怯えて、泣きながらしばらくは父とくっついてたっけ…。困った顔をしながらも笑って撫でてくれたな。

「朝っぱらからやってんだってよ…。」

「何ヶ所もあったっぽくて、ここが最後らしい…。」

「あれだけで1時間かかってるけど大丈夫かよ。」

この時初めて、父が命を天秤にかけて戦っている姿を見た。間違えれば死が待つその瞬間を、野次馬の間から見えるその後ろ姿を、足を震わせながら只々見ていた。

叫んでしまえば、驚いて間違えてしまうかもしれないと思ったから。本当はお父さん!と呼びたかった。逃げて!と叫びたかった。

しかし次の瞬間父は、

私の目の前で、

今まで聞いたことの無い、耳がおかしくなりそうな大きな音と共に、燃え盛る火の中に消えていった。

職質→←爆弾



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甘川カズ子(プロフ) - 77人!!うれしーー!!!!!😭🙏✨ご愛読下さりありがとうございます!!!!!! (4月19日 1時) (レス) id: 5770e5aa96 (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 44人お気に入り登録ありがとうございます!!!めっちゃ嬉しくて割と本気で自分の目を疑いました、、。ところで皆さん、、、。コメントくれてもいいんですよ???? (1月8日 15時) (レス) @page38 id: e3a40aaa28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘川カズ子 x他2人 | 作成日時:2023年11月13日 23時

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