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八夜目 ページ10
複雑な感情に左右されながらも、懸命に生きる。
人間とはそんなものだ。
たとえそれが間違っていようと。
俺は何を信じればいいのだろうか。
国でもない、人間でもない。
仮初の平等。
出会って二日。
彼女にひかれたのは事実だ。
明るくて、少しおてんばで。
人の生み出した哀れな少女。
そんな彼女の綺麗に輝く瞳は俺にはないものを持っていて。
欲しい、だなんて。
「__A。」
「ん?なあに?」
そう言って彼女は振り返る。
その姿が愛らしく見える奴もいる。
俺が呼んだのは、お前じゃない。
憎んでいたお前じゃない。
壁じゃない。
妹ができた、みたいな感覚じゃない。
この声は恋じゃない。
ベルリンの壁じゃない。
俺が今、呼んだのは
紛れもなく。
Aなんだ。
今日は珍しく東ベルリンの空は快晴だった。
またA。
彼女の表情も快晴だった。
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