四夜目 ページ6
「はやく、プロイセン。」
彼女は走り出した
小さな手で俺の手を包み込む
暖かく、何やら冷たい、そんな気分だった
「…私に、服を買ってくれるんでしょ。」
「おいまて、いつ買うなんて言った。」
そう、ここは商店街だった
幸い今日は日曜日ではない為、服は買えるのだったが…
彼女の服装、雰囲気、そして口調
彼女がベルリンの壁だと悟った周りの奴らからの、憎しみにまみれた視線が痛い
「嘘。冗談よ。本当に買ってくれるだなんて神様でもない限り、思ってないもの。」
「お前さらっと失礼な事言ったぞ…」
「何さ。神様でもない癖に?ね?プロイセン。」
「るっせ。」
彼女はこう見ると俺より小さかった
俺様のひじに届くか届かないかぐらいの身長
「あ、私このお店がいい!」
そう言って彼女が指をさしたのは、服の店
「…お前、一人で買ってこいよ。」
「え、何言ってるの。」
彼女に腕をひかれた
無理やり俺も来店かよ!
店の中は女性客でいっぱいだ
その中で、男の俺様が突っ立ってる
__視線がさっきよりも痛すぎる
「この服、可愛い!後、この服!キャー、可愛い!」
一人ではしゃぎまわる彼女を見て、店の店員の老婆が一言
「プロイセン、彼女の面倒はちゃんと見な。ましてや変な性癖に彼女を縛ってるんじゃないよね。」
それだけ言い残すと、老婆は店の仕事を再開した
どうやら、俺はあいつを彼女だと勘違いされたらしい
更に、彼女の軍服は俺の趣味のプレイだと勘違いされた
恥ずかしい
そうやって、顔を赤らめる俺
「プロイセンー、買った服着てみたんだけどどうかな?あ、顔赤い!もしかして似合ってた?」
試着室から軍服片手に来た彼女が俺の顔を覗き込む
うん、お前のせいで顔真っ赤だよ、お前のせいで
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