二夜目 ページ4
「ベルリンの壁…って。大丈夫なのか、壁って。」
「別に、私は人工だから。別に例外ではないでしょ?それに、私は貴方と違って、『願われた存在』なの。」
「どう言う事だ。」
「…『少数の祝福を受け、大多数の愛を失った』。そんな存在なの、私は。」
少女はあえて抽象的な言葉を選んでいるのかもしれない
そう思ったが、俺は会話も続けないといけない為に、躊躇している訳にはいかない
続けないと、彼女が拗ねるのだ、すごく
だが、返す言葉もなく歩いているといつの間にか一軒家がある
俺の家だ
「ここかしら?ずいぶんとキレイなお屋敷。さぁ、トランプやチェスがやりましょ!あと、一日中踊っていたい気分…」
「お前、今まで何してたんだよ…」
俺の他に遊ぶ相手居なかったのかよ、と思ったが彼女のキラキラした目にそれを今言ってしまうのは、さすがに命に関わる気がする
ハンガリーにいつも殴られて、なおかつ国である俺様だって痛いモンは痛い
フライパンで殴られてたまにすごい頭に響く事があるし
「でも…それも悪くはないけれど。」
_____今日はやめる
だなんて彼女が笑った
「なんでだよ。」
「眠いから。」
「眠いからって…」
相変わらず呑気な奴だな、と思ってしまう
自分勝手で単純明快…だから、ベルリンの壁か、と思う
「あ、そうだ、プロイセン。あー…うん、東ドイツの方がよかった?」
「いや、プロイセンでいいぞ。」
「明日、遊んでくれるかな?」
そう彼女はにっこり微笑み、俺の手を握った
「明日、ゆっくりお話ししましょ!できたら、貴方とも話したいわ!プロイセン!えっと…報酬欲しい?じゃあ…」
考えるポーズらしきものをとるが、「ひらめいた!」と突如彼女は叫ぶ
「西の世界のお話!教えてあげるわ!」
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