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「私は青くんにちゃんと食べてもらいたいの!摂取量がどうとかじゃなくって、本当に青くんが心配なの!」
キティは突然立ち上がり、白峰の手を握った。その声が少し大きかったのか、一瞬だけホール内が静まったような気もしたが直ぐに何事もなかったかのようにガヤガヤとしたムードが戻ってきた。
「キティ…?」
「だからちゃんと食べて!それに私、さっきちょっと貰ってきたし…おなかいっぱい」
最後のほうは本心ではないのだろう。ちょっと消えそうな声になっていた。近くにいた何人かがあのキティが満腹?と首をかしげていたが、状況を察したのかすぐに納得して食事に戻った。

「ふふふ、あははは!」
声を上げて白峰は笑い出した。何て可愛らしいのだろう!自分のためにわざわざ嘘までついて気にかけてくれたのだから。キティは頭がいいタイプではないと白峰は考える。確かにお金が絡んだ時の冴えっぷりは異常だがそんな状況でもない今、それは度外視してもいいだろう。だが彼女は利口だ。物わかりがよく、利口な子なのだ。
「ありがとう。わかった、ちゃんと食べるよ」
笑い終わった後、白峰は優しくキティの頭を撫でた。優しく、大切にするように。
「えへへ、青くんの手、あったかい!」
「キティの方があったかいさ」
そのあとは世間話でもして食事を終えた。ちゃんと白峰も完食して。
白峰はキティを気に入っている。キティのような子が自分の子供に欲しいというくらいには。

食事の時間が終わり、白峰は自分の区へと戻る。その時に一瞬、考えていたことがある。
白峰は元々の小食に加え、あることで刑務所の食事がダメになっていた。
「食事がダメなのは恐れ入ったよ」
誰もいないのにそうつぶやく。磨かれすぎて自分の顔が反射するようになってしまった壁を見て、そっと手を添えた。

「アリアとはいつ会えるのかな、早くアリアのご飯が食べたいねぇ」
キティには伝えていない。伝えてもいいのだが伝えるタイミングがわからなくなってしまった。少し反省している。

白峰があまり食べない理由。
四年間のアリアとの生活で、アリア料理以外の料理が苦手になってしまったのだ。
特に一般社会と切り離されたこの刑務所にはまず、いい料理はないのだ。そのせいで白峰はあまり食べられない。
このことは誰にも言っていないが、白峰は食事自体に苦手意識を感じてしまったのだ。
『食べること』を好きになれる日は当分の間来ることはなさそうである。
可愛い少女を思い出し、心の中で謝罪した。

おまけ→←利口な子猫は優しい子



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斗夢(プロフ) - ミファさん» こんなに早く返信返してくれるなんてありがとうございます!小説の更新頑張ってください! (2018年7月22日 23時) (レス) id: ca4e952387 (このIDを非表示/違反報告)
ミファ(プロフ) - 斗夢さん» 申し訳ありません。CSSを差し替えさせてもらいました。 (2018年7月22日 22時) (レス) id: 9e5279a20b (このIDを非表示/違反報告)
斗夢(プロフ) - ごめんなさい、失礼かと思いますが、ちょっと字が見辛いです。改善をお願いしてもよろしいでしょうか。 (2018年7月22日 22時) (レス) id: ca4e952387 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミファ | 作成日時:2018年7月22日 22時

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