126話 ページ20
それから、病室に備え付けのテレビをつけて、音量をできるだけ下げた。
ちょうどTRIGGERとIDOLiSH7の対決の結果発表がされていて、その結果は....
「勝者は....
IDOLiSH7!!」
TRIGGERが負けてしまった。
テレビをかぶりつくようにじっと見たあと、Aに視線を戻すと、Aもテレビをじっと見ていた。
「あ、起きて...」
起こしてしまったか。それにしても目覚めからTRIGGERの負けを知るって...
テレビつけなきゃ良かったわ...
後悔していると、Aは、少し微笑んで言った。
『TRIGGER、負けちゃったんですね。
きっと、IDOLiSH7がすごかったんだろうなあ...生で見たかった...』
そして、悲しいのか、嬉しいのか。どちらの感情も混ざったような顔をして笑った。
その顔はおそらく、TRIGGERが負けてしまい、IDOLiSH7が勝ったということだけではなくて、なんとなく察しがついてるんでしょう。
『それで、私はどうでした?』
Aとfive sistersの戦いの結果がどうだったかを。
「残念ながら...」
目を合わせるのがなんとなく気まずくて、下に目線を逸らして、それだけ答えた。
『そうですか』
Aの返事の声色は、思ったより温かく、落ち着いていた。
『そうですよね、私、２番すっ飛ばしちゃいましたもん。』
悲しさなんて感じさせない声だった。でも、少し震えてて...
恐る恐る顔を上げて、Aを見ると、その両目から、大粒の涙がこぼれ落ちていた。
Aと私の目が合った瞬間、Aはまた涙をこぼしながら、『勝ちたかったなあ...!』と、嘆いた。
思わず、Aのことを抱きしめていて、「大丈夫、また、いつか勝てるわ」という言葉が口から出た。
それからしばらく、Aは泣き続け、私はAを抱きしめ続けた。
そしてAが泣き止んだ頃、私は、どうしても気になっていたことを聞いた。
「どうして、そんなに傷だらけだったの?」
私はなんとなくわかった。今からAが言う事は、全部嘘なんだろうって。
Aは、他人を守るための嘘ばっかりつくから、それはたとえ痛めつけられた相手であろうと変わらない。
『あー...』
少し頬を掻き、エヘヘって感じで笑った後に。
『...階段から落ちたんです』
そう答えた。
Aは、これ以上探りを入れないで欲しいっていう雰囲気を出しながら、変わらず笑っていた。
だから私は、「そっか」って言って笑った。
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みっちゃん(プロフ) - ルリさん» ありがとうございます! 頑張りますね！ (2019年8月30日 0時) (
レス) id: a5b5550cbb (このIDを非表示/違反報告)
ルリ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いーー！！！！続きが楽しみですー！！更新頑張ってください！！！応援してます！！！！ (2019年8月24日 13時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん(プロフ) - ありがとうございますっ!!!どんどんいい作品を作っていけるように頑張ります! (2017年10月25日 21時) (レス) id: a5b5550cbb (このIDを非表示/違反報告)
kira(プロフ) - 4部お疲れ様です！番外編も楽しみに待ってます！これからも頑張ってください！ (2017年10月24日 22時) (レス) id: 0dfb0f50b9 (このIDを非表示/違反報告)
二宮葵(プロフ) - 麗奈♪さん» ありがとうございます!!!これからも応援よろしくお願いします!! (2017年5月28日 8時) (レス) id: a5b5550cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みっちゃん | 作成日時：2017年4月30日 22時
