転校先 ページ14
転校先の後江小学校。
先生に紹介されて教室の中に入り、これからクラスメイトとなる人物を一通り見渡した時。
私は絶望した。
「あ〜! Aちゃんじゃん!!」
私を気持ち悪いって言った、
私を軽蔑していたあの子が、クラスの中にいた。
驚いて言葉が出なかった。
「なんだ、知り合いか?」
驚きと恐怖が混ざってなかなか声を出せない私の代わりに、
「はーいそうでーす!! 前の小学校では親友でした〜!!」
彼女が代わりに答えた。
『違う』なんて言葉が口から出る間もなかった。
「おー、そうなのか!!じゃあ木崎、学校案内とか二宮の世話してやってくれよ」
「はーい!」
「じゃあお前の席はあそこな」
先生が指を指した方向は、一番窓側の後ろの席。
これから待ち受ける未来に怯え、ゆっくり歩いてそこまで行って席に座ると、私の前の席の子が話しかけてきた。
「よう!! これからよろしくな!!」
「あ、えと、よろしく」
私の返事に、前の男の子は笑うだけだった。
(良い、笑顔だな)
少なからず、この瞬間にはもう好意を抱いていたのかもしれない。
「よし、じゃあホームルームの間は質問タイムだな！」
先生のその言葉と同時に、たくさんの質問が飛び交った。
「好きな食べ物は?」
「誕生日いつ?」
「趣味とか何?」
「どんなタイプの子が好きなの!?」
「呼び方どうしよっか!?」
その言葉に、一つづつ返していく。
「好きな食べ物は、肉じゃがかな、
誕生日は4月1日、
漫画とかアニメとか見るの結構好きだよ
好きなタイプは〜...そうだね、私の全てを受け止めてくれる人、かな。
呼び方は、なんでも良いよ、呼びやすいように呼んでくれたらいいかな。」
周りの子達を見渡していると、その間から木崎さんの冷たい目が見えた。
怖くて怖くて、仕方がなかった。
また、カードが嫌いになるんじゃないかと、
また、一人ぼっちになるんじゃないかと。
(嫌だ…!)
でも、助けは求めれなかった。
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作者名：みっちゃん | 作成日時：2017年4月5日 0時
