演劇少女3 ページ5
起き上がって、キョロキョロと辺りを見回す姉
空を見たり、木に触れたり、自分の頬をつねったりしている
結月「A、怪我してない?」
貴女「こんな状況でも妹の心配をしてくれるんだね。ありがとう」
結月「当たり前だよ!ねぇ、ここはどこだと思う?」
貴女「森の中だろうね。時間的には昼過ぎぐらい」
結月「あれ?私たちが家の出たのは夕方だったよね?」
貴女「うん」
どこからか声が聞こえる
焦っているようで、苦しそうな声だ
結月「どうしたの?」
貴女「声が聞こえる。コッチだと思う」
姉の手を引っ張って、声が聞こえる方に向かって走る
その声は近づくにすれ息苦しそうな声に聞こえてる
貴女,結月「「!?」」
貴女「な、何これ」
私達の目線の先にはお腹から大量の血が出ている男性がいた
その男性は私達には気付いていないようだ
そして、その男性の手には私が投げてしまったスマホが握られている
結月「映画か何かの撮影?」
貴女「違う。あの血は本物の血だよ」
結月「う」
姉の顔は青くなっていく
今にもここから離れたい、と思っているのが伝わる
あの男性は今から止血しても手遅れだろう
結月「あれってAのスマホだよね?回収する?」
貴女「しないでおくよ。ここでは使えないと思うし」
結月「わかった」
貴女「とりあえず起きたところに戻ろっか。私の大切な台本を回収しないと」
結月「スマホよりも台本のほうが大切なんだね」
貴女「台本を失くしたら顧問の先生と文芸部の人に怒られちゃうからね。部長が」
あの人たちは怒らせたらダメだ
空から槍が降ってくるなみに怖い
怒られた次の日は目を合わせることができない
って、部長が顔面蒼白にして言ってたなー
あのときの部長の顔は演劇部の歴史に残るだろうね
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作者名:ステラ | 作成日時:2018年1月9日 0時