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風「さっきの伊藤さんが気にしてた日菜のことなんだけど、好きな遊び、ってやつね。あれ、人形遊びが好きなのは本当。ただ、1番好きな遊びはおままごとなんだよね。」
風「日菜のご両親が事故で亡くなったのは知ってると思うんだけど。まだご両親がいた頃、日菜はよくおばさんとままごとをしてた。でも亡くなってからは自分がお母さん役をするのも、相手にしてもらうのも、悲しくなるのかままごと自体することがなくなった。」
風「あと、よく絵も描いてたな、でも描いても人を描くことは減った。普段俺の前では明るく振る舞ってるけど、やっぱりダメージはでかいんだよな。当たり前だけど。」
風「傷が癒えることはないかもしんないけど、少しでも日菜が楽しいと思えるようにしてやりたいんだよね。」
少し切なそうに笑いながら話してくれる菊池くん。
風「…ちなみに俺が何で日菜と暮らしてるか気になる?」
「え!?いや〜…」
それはずっと気になってますけど…!?
なんなら1番最初に気になりましたけど!?
でもそんなデリケートな事ズバズバ聞ける精神や肝は持ち合わせていないんで…!!
風「ぶは、めちゃくちゃ気になるって顔に書いてますけど。ほんっと素直だよね、おもろいなー。」
そう言って笑う菊池くんに「ちょっと!」とわざと怒ったように笑いながら伝えると「ごめんて、優しいから聞きにくいと思ってくれてたんだよな、」なんてじ、っと見つめられて優しく言われるんだもん、ずるい。そんなの許しちゃうよね。
風「面白い話でも良い話でもないけど聞いてくれる?」
「も、もちろん!」
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作者名:莉紗 | 作成日時:2022年10月20日 21時