優しい嘘と君の歌 (ページ4)

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涼介side

裕「えーと……、あ、いたいた。あの子！窓際の！」

「窓際……？」

ゆうてぃーの指さしてる方を見れば窓際の机に1人でちょこんと腰掛けてる子がいた

裕「そうそう。名前は知念侑李って言うらしいから、」

「へぇ……、ゆうりだなんて女の子っぽいね」

裕「確かに。…ま、とりあえず俺の役目終わりってことで。」

「……は？」

裕「あとはやま任せた！ある程度時間とか聞き出せたら俺に言えばいいから。」

そう言ってグッと親指を突き出し爽やかに去っていくゆうてぃーと展開についていけてない俺

いやいやいや、人任せすぎない？！
こっから丸投げかよ！

ぽつんと1人残された俺は仕方ないから知念くんの元に近づく

とりあえず話せるようにならないと始まらないし……

「えーっと、知念くん…だよね？」

ノートにひたすら何かを書いている知念くんにそう話しかけた。

ぴたりと手が止まってゆっくり顔を上げた知念くん

その顔は……、なんていうか、

＿＿＿かわいい。

くりっとしたアーモンド型の瞳。
少し口角の上がった唇。

何よりちょっと涙目なのがやばい。

守りたくなる女の子の条件完全クリア(男だけど)

知「な、なんですか？」

そんな知念くんの声で引き戻される俺の意識

あっぶねぇ～、今完全に違う世界に飛んでたわ

「文化祭で体育館で発表するやつ、俺が知念くんの担当になったから。」

俺がそういうと知念くんは少しだけ息を飲んだ

知「……あ、そうなんですね。よろしくお願いします。」

「それで、何分くらいかかるとかどんなのやるとか本部に報告しなきゃいけないんだけど……、知念くん携帯持ってる？」

本当は連絡先なんて交換しなくてもいいかもしれないけど

仲良くなりたいなぁなんていう俺の下心が働いた

知「はい、持ってます。」

そう言ってケータイを取り出す知念くん。

でも取り出されたのは……

「え、ガラケーなの！？」

この時代に！？

知「すみません…。親がスマホ買ってくれなくて……。」

「いや、珍しくてびっくりしただけ……。じゃあLINEとかも入ってない…よね？」

知「ちょっと機種が古くて、、通話しかできないです……」

ん！？

通話しかできない！？

これは山田涼介、幸先不安です……