≠友達、あくまでも。 (ページ8)

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≠カップルページ8

出張だが、今回は大手ホテルチェーンの方との仕事だった。

いつもよりいいホテル泊まれるからぁとの部長の言い分(ならお前行けや)なだけあって、まぁ期待が持てるけど、いや、それより仕事だわ。

「起こすなよ」
「誰が起こすか」

新幹線で、隣のムカつくやつはアイマスク持参でとっとと寝やがるから存在を無視していた。
起こさずに一人で行ってしまおうか、とか画策してたけど、さっさと起きてしまった。
ちっ。

「自分荷物多いわ」
「重岡が少なすぎるんだよ」

一泊といえども女子にはいろいろあるんだよ。デリカシーないわ。

「持つわ」
「え？別にいいけど」
「遅れられたら俺が困るやん」

「うるさ」

「まだ時間あるし、先部屋行っちゃう？待ち合わせもホテルの近くだし」
「せやな。このクソ思い荷物おろしたいし」
「…別に持たなくていいって言ったじゃん」

なんだかんだ重岡に手続きを任せてロビーのソファに座っていると、何故か重岡が青ざめた顔でやってきた。

「いい知らせと悪い知らせ、どっちから聞きたい？」
「え？…悪い知らせから」
「じゃーん」

重岡が出したのはごく普通のホテルの鍵。
なにがおかしいんだ？

「え、私のちょうだいよ」
「これが答えっす」
「へ？」

「ミスったんだかなんだかでまさかのツインルーム」

「ぎやあああああぁぁぁぁぁぁぁ」

会社の人たち、大丈夫？うちらカップルでも何でもないぞ！

「さらに悪いことに、一人の部屋はひとつしか空いてないんやって…」

「因みに、いいニュースは、ベッドが二つあるとゆーことや」

「あったりまえだろぉぉぉぉ！」

シングルの部屋に二人で泊まるくらいなら、ツインに泊まってやりますとも！