≠友達、あくまでも。 (ページ13)

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≒現実ページ13

這うようにユニットバスまで辿りつき、シャワーを浴びる。

お酒は抜けるかな、と思ったけどやっぱり頭はふわふわしたままだった。

気持ち悪くはなくて、ただぽかぽかしてふわふわするだけだからまぁいっか。

久しぶりにこんなに酔ったけど、多分明日にはあんまり覚えてないだろうなぁ。

そんなふうに、変に冷静な自分もいた。

濡れた髪を雑に乾かし、ベッドに座る。

あれ、私のベッドどっちだっけ。

ばふっと顔をうずめてみる。

「ん…しげおかのにおいだぁ」

さっきおぶってもらったときとおんなじ匂いがほんのりする。
晩御飯前にねころがってたからかな。

ってことはこっちは重岡のベッドだ。

「めんどくさいしぃ…いっかぁ」

掛け布団を抱き枕みたいにして目を閉じた。

「A、おい、それ俺のベッドやって」

重岡の声がした気がして、薄目を開ける。

夢かな。現実かな。

んーどっちでもいいや。

「そっちがええなら自分のベッド片付けてからにしーや。化粧水やらなんやらが散乱してて使えたもんじゃないわ」

いつもより心なしか低い声。
酔ってる私を気遣ってるのかなぁ。
私はこんなに気分いいのに。

「んー」

布団を抱えたまま横に寝返りを打つ。

「ちょっ……」

「そんなにねたいならぁ、いっしょにねればいいじゃん…」

「…え？」

「しげおかはぁ、わたしみたいなげてものにてぇだすほどしゅみわるくないですしぃ…」

ぽけーっとしていたら、

「自分、何言ってるか分かっとるん？」

世界が揺れた。