≠友達、あくまでも。 (ページ1)

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≠彼氏ページ1

「だから付き合う気はないと言ってるでしょうが」
「そういって、彼氏いないだろ？いいじゃん」
「ためしに付き合ってみたら？」

…めんどくさい。

齋藤A。
２６歳。

恋愛する気、ゼロ。

だからこんなとき、アイツを呼ぶんだ。

「彼氏、いるんだってば」
「じゃあ呼べよ！」

中途半端な時期に開かれた同窓会。
中学時代のクラスメイトたち。

仕事帰りにこれはちょっとしんどいいな、と思いつつも、会社の最寄りに近かったから参加を決めたのだが…

「付き合わない？」

と一人の男から口説かれた。

やめてくれって。

酔った勢いやらなんやらで、皆気が大きくなっているのだろう。
鎮火する様子は全くない。

この男が嫌いなわけではない。
だが、好きなわけではない。

これは厄介なことになるぞ、と長期戦を覚悟した。

――――そして冒頭に戻る。

「彼氏、呼ぶ」

そう宣言して、電話を掛けた先は、

「もしもし、し……大毅？」

私が彼を名前で呼ぶときは、すなわち、そういう合図。

「ちょっと厄介なことになってて、彼氏呼べって言われちゃったんだけど」

『いまどこ？』

「駅から会社までの道のりにある居酒屋」

『おん。今から行くわ』

「来るって」