永瀬廉、連れまわす。 ページ30
「ねね、あの人かっこよくない？｣
「芸能人かな…｣
「…ねぇ」
「だいじょぶだいじょぶ」
それにしても私のつりあわなさといったら。心なしか視線が突き刺さる。
ＧＷの都心はやっぱり人が多い。でもなぜかバレない。人が多いからこそかもか。
「よっしゃ、がしがし回るでぇ｣
「？｣
「こんなの着れないよ…｣
「つべこべ言わず試着試着ぅ〜｣
次々ハンガーが押し付けられる。
「いつもパーカーばっかなんやもん。もうちょっと遊び心あってええやん｣
「そうゆーの似合わないんですよ」
廉くんが選んでくれるなんて、身に余る光栄なんですけど、少し身に余り過ぎる。
仏頂面でつき返すと、無理やり更衣室に押し込められた。
「A、おまえ折角もとがええんやから、生かさない手はないやろ」
閉められたカーテンを呆然と見つめる。
すっかり抵抗する気も起きなくなった私は、のろのろと着替え始めた。
いや、どうやって着るんだコレ。
ストリート系、シンプル、フェミニン…あらゆるジャンルを巡った気がする。
笑って褒めてくれたり、微妙な顔でぷるぷるしていたり、目を見張って驚いてたり、色々な反応を見せる廉くんを見ていたくて、おとなしくされるがままだった。
「ごめんなぁ。楽しくなってもうて」
「…私は着せ替え人形ですか？」
「素材がよくって腕が鳴ってまいましたわぁ」
そんな風にいうけれど、本当にエスコート上手だったし、すごく楽しかった。
廉くんは、どうだったのかな。
彼を窺うと、ちうーっとストローを甘噛みしている。
「なぁ、なんで彼氏作らんの」
「私ぃ⁉」
「華のJKやん。そらオレはこういう職業やからおいそれとそういうこと出来んかったけど」
「作らないんじゃなくてできないんですぅ―」
作ろうと思えばいつだって作れる貴方と一緒にしないで…
「そんなことないで」
ぴんと伸ばした指が私の眉間をつつく。
「そんな険しい顔すんなや。Aは気ぃ張らないで、いつもみたくふわふわ笑ってるんがええな。そんでオレの選んだ服着てたら、もー百人力よ！」
「本当？」
「おん。オレ、今日めっちゃ楽しかったし。それに―――」
廉くんが見せてきたのは、試着してはにかんでいる私の写真。
「めっちゃかわええやろ？」
これ自分でも誰だかよく分からないけど―――
私がこんなに可愛いんだとしたら廉くんが一緒だからじゃないかなぁ。
…な、なんて恥ずかしいことを考えちゃうくらいにはデート気分を満喫したのでした。かしこ！
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ひめりんご(プロフ) - 箱推しティアラさん» 私の水泳部の友達はできるんです。レアなんですかねやっぱり笑笑主人公の名前は皆さんの名前ですし、必然的に皆さんは静止バタフライができるお茶目な女子高生ですよ？移行しても更新頑張ります！ (2020年2月17日 1時) (
レス) id: 1afd1940e9 (このIDを非表示/違反報告)
箱推しティアラ(プロフ) - 静止バタフライはお友達さんができるんですねｗｗｗ面白いので好きです(*'ω'*)続編移行おめでとうございます！ (2020年2月17日 0時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
ひめりんご(プロフ) - 更新が基本深夜だからか謎の深夜テンション…お付き合いいただき有難う御座いまする。余談ですが私はクロールとバタフライしかできません。 (2020年2月10日 22時) (レス) id: 1afd1940e9 (このIDを非表示/違反報告)
箱推しティアラ??(プロフ) - ノリとテンションが面白いですｗバタフライしかできない特殊体質はふつーに笑いましたｗ更新頑張ってください(*'ω'*) (2020年2月10日 0時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
ひめりんご(プロフ) - あーるさん» コメントありがとうございます！ほんとに励みになります！広げた風呂敷ってたたむのはなかなか難しいっていうけれど本当にこの物語は今後どうなっていくんだろうか…笑笑 (2020年1月23日 23時) (レス) id: 1afd1940e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひめりんご | 作成日時：2020年1月5日 17時
