放課後、コンビニ前で会った。 ページ6
「わあ、もう真っ暗」
最寄り駅について、ひとり呟いた。夏とはいえこの時間になると街灯の明かりがありがたい。
(今日は裏道使わないで帰ろ、何かあったら怖いもんね)
国道沿いの道を早足で歩く。信号が赤になってしまったので、反対へ渡る前に曲がり角を曲がった。
「あ」
私の視線の先には、コンビニの前で水をがぶ飲みしているタンクトップ姿のヤンキーお兄さんがいた。首にタオルをかけていて、たくさん汗をかいている。
(ランニングかな、やっぱりヒーロー科なんだ)
私はばれないうちに通り過ぎようと、羽織っているパーカーのフードを被ったが、「おい」と秒でばれてしまった。
「皮肉なことに毎日会いますねヤンキーお兄さん、毎回関わらなくていいんですよ？」
「てめぇが決めることじゃねぇだろ」
「あーはいはい、そうですね」
適当に棒読みで返す。今度は癪に触れなかったようで、ヤンキーお兄さんはさらっと流し「その制服」と聞いてきた。「結縁学園中学です」と私は答える。
「お前、中学生だったのか」
「はい、中二ですけど」
「見えねぇ」
「制服着てても小学生に見えるってことですか」
私はそっぽをむくと、「身長低いですからね」と自分から言った。ヤンキーお兄さんはハッ、と鼻で笑うと、「おい、口開けろ」と命令口調で言ってきた。
「なんで…え」
「食え」
口に勝手に入れられた何か。私は一度ヤンキーお兄さんの目を軽く睨むと、「怖くねぇよバカ」と言っている彼の横でそれをカリッと噛んだ。
「かっ…」
辛っ…!!
ゲホゲホとむせる私を、ヤンキーお兄さんは楽しそうに数秒眺めた後、「おら飲め」と手にしていたペットボトルの水を渡してくる。私はそれを受け取ると水をのどに流し込み、涙目になりながらもなんとか辛い物を飲み込んだ。
「かっら…！なんですかこれ?!」
「さぁな、自分で考えろやクソガキ」
にやりとまた笑ったヤンキーお兄さん。
「む…っ！」
私が反撃に出たのは言うまでもない。
放課後、コンビニ前で会った。 ２→←放課後、買いたいビターチョコレートが被った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうきりさ(プロフ) - そらまめさん» そらまめさん、コメントありがとうございます！かっちゃんってどんな話にしてもはえますよね！かっちゃんがもっともっと格好良くなるように更新頑張ります笑！ (2020年7月31日 17時) (
レス) id: a3d7f766b2 (このIDを非表示/違反報告)
そらまめ - はー……もうかっちゃんがすごい尊い(((更新頑張ってください！ (2020年7月31日 13時) (レス) id: 900942357c (このIDを非表示/違反報告)
ゆうきりさ(プロフ) - 雪音さん» 雪音さん、初コメありがとうございます!!すごく励みになりました！続き待っててくださいねー！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: a3d7f766b2 (このIDを非表示/違反報告)
雪音(プロフ) - めちゃめちゃおもしろいです!!!更新頑張って下さい!!応援してます! (2020年7月31日 1時) (レス) id: dd74d32d36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうきりさ x他1人 | 作成日時：2020年7月26日 18時
