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あの時、泣きながら鬼を斬っていた女だと気づいた俺は、込み上がる怒りに任せて叫ぶ。


「おいてめェ!危ねェからどけ!」


鬼が女の肩に噛みついた。顔を歪めうめいた女は、また涙を一筋零して「人を傷つけては駄目…」と、鬼を抱きしめ続けながら言う。


「邪魔くせェ…!退け!」
「っあ!」


女を無理矢理鬼から引きはがし、遠くへ放り投げる。俺はそのまま鬼の頸を斬った。


「あ…」


灰となり消えて行った鬼の体に、地面に座り込みながら呆然と手を伸ばす女に、俺は「お前ェ…」と言い寄った。


「何が“鬼を滅殺する心持”だァ?!殺 す気なんてねェんじゃねェか!」


胸倉をつかむ。女の涙はこの一瞬ですでに引いていて、またあの悲しげな表情を浮かべた。


「申し訳ありません。死んだ父に似ておりましたため、斬るのを躊躇してしまいました」
「嘘ばっか言ってんじゃねえぞてめェ!」


そう言うと、女は口をつぐんだ。増す怒り。

俺は女の頬を叩いた。

大きな音が鳴って、女が地面に倒れる。


「お前のやっていることは鬼殺の妨害…隊律違反だぞォ!」


顔を上げた女は、泣いていなかった。

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ゆうきりさ(プロフ) - ツナミカワさん» ご指摘ありがとうございます!キャラの名前を間違えるとは…本当にすみませんこの駄作者…!直しますね! (2020年9月27日 7時) (レス) id: a3d7f766b2 (このIDを非表示/違反報告)
ツナミカワ(プロフ) - 序章から申し訳ないですが富岡の漢字違いますよ正確には『冨岡』です (2020年9月26日 23時) (レス) id: f27e09d3f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆうきりさ | 作成日時:2020年8月22日 17時

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